「天狼星シリウスのミステリー 」番組まとめ

NHK BSで放送されている「コズミック フロント☆NEXT」

テーマは「天狼星 シリウスのミステリー」

澄んだ空に星がきらめく冬の夜空。

そこに全天で最も明るい恒星がある。

その名は「シリウス」

見つけ方はとても簡単。

オリオン座の三ツ星を左に伸ばした先に青白い光が特徴。

欧米では狩人オリオンの猟犬ロックスターとして親しまれている。

中国では狼の星「天狼星」と呼ばれている。

[番組内容(目次)]

[序章]

[現代天文学の扉を開いたシリウスのミステリー]

[シリウス蛇行の謎]

[シリウスBの発見]

[赤いシリウスのミステリー・観測による追跡]

[シミュレーションによる追跡]

[赤いシリウスは何をもたらすのか?]

[茨城県のアマチュア天文家の大発見]

[櫻井天体・ファイナルヘリウムフラッシュ]

[終章・新たな宇宙望遠鏡への期待]

[解説]

(番組放送順と多少前後有り)

[序章]

実はこのシリウスには天文学史に残る多くの謎がある。

19世紀にはシリウスが蛇行する奇妙な動きが見つかり大論争が起きた。

そして今世界中の研究者たちが挑むとびきりの謎が「赤いシリウス」

2000年前シリウスは青ではなく赤く輝いていたという。

赤いシリウスは現代の天文学では説明できない大きな謎。

今回は天体観測好きの人達にも人気の高い冬の夜空の主役シリウスのミステリーに迫る。

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[現代天文学の扉を開いたシリウスのミステリー]

シリウスは時代を超えて人々の注目を集めてきた。

そしてその注目こそが謎を呼ぶ。

今最先端の望遠鏡が次々にシリウスへと向けられている。

2018年からのの5年ほどが50年ぶりに訪れたシリウス観測に最適な時期だから。

シリウスとは一体どんな星なのだろうか。


研究の第一任者 アリゾナ大学 月惑星研究所 ジェイ・ホルバーグ博士の観測に同行させてもらった。

やってきたのはアメリカアリゾナ州の山の頂にある世界最大級の天文台「キットピーク天文台」

全天で最も明るいシリウスは実に魅力的な星。

私たちに宇宙の秘密をたくさん教えてくれた。

シリウスが注目される一番の理由は地球からの距離の近さ。

全天の一等星以上の21個の恒星で比較してみると肉眼で見える恒星としてはケンタウルス座アルファ性(約4光年)についで二番目に近い星(約8光年)

観測の時間になるとコントロールルームのモニターにシリウスが映し出された。

この光の中にたくさんの謎を秘めている。

人類はシリウスの謎を数多く解き明かしてきたが、まだまだ未解決の謎が残っている。

こうして観測し続けていたら再び大きな発見があるかもしれない。

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[シリウス蛇行の謎]

シリウスにまつわる謎は19世紀半ばまでさかのぼる。

1844年イギリス王立天文協会に一通の手紙が届いた。

差出人はドイツにある天文台の台長フリードリヒ・ベッセル。

手紙はこうを切り出されていた。

「天文学にとって とても重要な案件をお伝えします」

「シリウスの動きが一定でないことが判明しました」

望遠鏡を使って精密に星を測定できるようになる星の中には他の星と違った独自の動きをしている星があるとわかってきた。

これを「星の固有運動」と言う。

ベッセルは星の位置を繰り返し測ることで押しのける運動を調べていた。

使ったのはヘリオメーターと呼ばれる特別な望遠鏡。

1万分の1°という高い精度で星の位置を測ることができる。

観測を始めて30年。

ベッセルはシリウスの動きが説明のつかない奇妙なものであることに気づいた。

そこで他の天文台での観測結果を取り寄せて百年にわたるシリウスの位置の変化を調べ上げた。

1万分の1°刻みのグラフにプロットしてみると、シリウスは50年ほどの周期で西に東にゆらゆらと動くような不思議な動きを繰り返していた。

ベッセルは既に知られている星の重力でこの動きを説明できると考え計算を繰り返した。

しかしどうしても上手くいかない。

そんな中、ひとつの仮説を思いつく。

それはシリウスをめぐる目に見えない星が存在するという大胆なもの。


二つがもつれ合いながら動いたとすれば説明がつく。

重力は及ぼすが見えない星。

これは当時の天文学の常識では考えられない異端とも言える考え方だった。

常識にとらわれないベッセルはこんな言葉で手紙を締めくくっている。

「夜空には無数の構成が輝いている」

「だからといって重力は及ぼすが見えない星が宇宙に存在しないとは言い切れないはずだ」

この予言をきっかけにシリウスの近くにある見えない星を探索することが始まった。

世界中の天文学者を巻き込んだ大捜索。

見つかったのは18年後。

舞台は太平洋を挟んだ新興国アメリカだった。

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[シリウスBの発見]

米・イリノイ州 シカゴ近郊の「ディアボーン天文台」

ここに口径47cmの望遠鏡がある。

アメリカで作られた当時世界一の望遠鏡。

巨大なレンズを持つこの望遠鏡がベッセルが予言した見えない星を見つけた。

発見者はアメリカの望遠鏡製作所アルバム・クラークとその息子。

クラークは望遠鏡を作り続け、世界最大の記録を5回も塗り替えた人物。

1862年1月31日のこと。

望遠鏡の性能を確認するためテスト観察が行われた。


 望遠鏡が向けられたのは冬の夜空の主役シリウス

はじめに見つけたのは息子の方で暗いけれど小さい何かがあると言う。

父親のクラークが望遠鏡を覗くと、眩しいほど青白く輝くシリウスのすぐ近くに黒い点がかすかに見えた。

ベッセルが予言した見えない星は実在していた事が分かった瞬間だった。


この時の発見について米・マサチューセッツ州ハーバード大学天文台に記録が残されていた。

当時の天文台長の観測ノートにクラークの47cm望遠鏡がシリウスの近くで暗い星を見つけたと書かれている。

こうしてシリウスは双子星、いわゆる連星であることがわかり長年の謎は解明された。

暗い方の星は「シリウスB」と呼ばれるようになった。

しかしこの発見が新たな謎をもたらす。

当時知られていた双子星は明るさが似通っているものばかりだったのに対しシリウスは明るさが大きく異なっていた。

その差は1万倍にも及ぶ。

なぜこれほど暗いのか。

「シリウスB」の正体は何なのか。


この謎に迫ったのは米・カリフォルニア州ウィルソン山天文台のヘール望遠鏡 口径1.5m

1915年この世界最大の望遠鏡が双子星シリウスに向けられると驚きの事実が分かった。

当時の天文学者はその結果に戸惑った。

観測によればシリウスBの温度は最低でも1万°

シリウス Aと同じか、さらに高温。

その結果が意味するものはシリウスBはありえないほど小さく、そのため暗いということ。

これは誰も理解できない天体だった。


シリウスBの大きさは地球並み。

でも重さは太陽に匹敵する。

シリウスBは想像を絶する天体だった。

大きさと重さから密度を割り出すと1cc あたり1tonを超えている。

地球上で最も密度の高い金属でも1ccあたり20gほど。

シリウスBは当時の物理学では説明不可能な物質でできていた。

本当にそんな星が存在するのか。


謎の天体シリウスBの正体をめぐって当時の物理学会で大論争が巻き起こった。

この謎に迫る手がかりをもたらしたのは当時一般相対性理論を発表したばかりのアルバート・アインシュタイン。

普通の星と比べるとシリウスBのような小さくて重い星は周りの時空を強く歪める。

すると星の光は少し波長が伸びて、わずかに赤くなるとアインシュタインが予言した。

1925年ウィルソン山天文台の2.5mのフッカー望遠鏡が再びシリウスBに向けられた。

すると波長のわずかなズレは一般相対性理論の予言通りピタリと一致していた。

その頃、急速に発展していた物理学を応用することでこの謎の星の正体が分かってきた。

シリウスBは「白色矮星」と呼ばれる特殊な星で太陽のような恒星が燃え尽き、収縮した燃えカスだった。


夜空に輝く星も永遠に輝くのではなく最後は暗い星になってしまう。

シリウスBは私たちに星の一生を教えてくれた。

それだけではない。

宇宙には太陽のような星とは全く異なる星が無数に存在している。

こうした宇宙観に到達する最初の発見がシリウスBによってもたらされた。

シリウスが現代天文学の扉をあけてくれたと言っても過言ではない。

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[赤いシリウスのミステリー・観測による追跡]

古代からシリウスは私たち人類に最も親しまれ観測されてきた星の一つ。

このシリウスには古代メソポタミアまでさかのぼる不思議な謎が指摘されてきた。

3000年前に作られたアッシリアの石碑「ブロークン・オベリスク」

当時の王が行った冬の会の描写の中で溶けた銅のように赤いシリウスが刻まれている。

なんと現在は青白く輝くシリウスが かつては赤かったと言う。

2000年前の古代ローマに入るとシリウスが赤いと書かれた文献はさらに増える。

哲学者キケロは詩の一節で「シリウスは赤く輝く」と歌い上げ。

セネカは「シリウスの赤みたるや火星よりもずっと濃い」と表現した。

きわめつきが2世紀にプトレマイオスによって作られた「アルマゲスト」

古代天文学の集大成と言われ1000年以上にわたって最も権威ある天文学の文献とされていた。

ここには現代に通用する星のカタログが掲載され明るさや色が書かれている。

おおいぬ座の記述には一番明るい星シリウスは犬の星と呼ばれ赤いとある。

アルマゲストの中で赤いと分類されたその他の星はオリオン座の一等星ベテルギウスに加えアンタレス・アルデバラン・アークトゥルス・ポルックスで どれも赤みがかって見える星。

青く輝く双子の星からなるシリウスがどうして赤く見えたのか。

これは今だ解き明かされていない大きな謎。

30年あまりに渡ってこの謎に挑み続けてきた科学者がいる。


 仏・宇宙基礎科学研究所 ジャンマルク・ボネビドー博士。

1980年代に宇宙望遠鏡でシリウスの観測を行った時に同僚から赤いシリウスについて聞き興味を持った。

全天で最も明るい星に2000年来の謎があると聞いて驚いたのだ。

アルマゲストの著者ほどの優秀な天文学者がシリウスを赤いと言ったのだから何か理由があるはず。

ボネビドーさんはシリウスを短期間だけ赤くする事件が2000年前に起きたと考えた。

最初に注目したのはガスとチリの雲。


ガスとチリの雲は珍しいものではないので偶然シリウスの近くにあっても不思議はない。

2000年前に小さな雲が地球とシリウスの間を通過していたら青い光の成分が散乱されてシリウスが赤くなると考えた。

夕日が地球の大気の層を通過したて赤くなるのと同じメカニズム。

シリウスは近い星だと言っても8光年以上離れている。


1985年南米チリ ラ・シア天文台でシリウスを赤くした雲の観測が始まった。

デンマークでは最新のCCDを搭載した口径1.5m望遠鏡が向けられた。

シリウス周辺の詳細な撮影に初めて成功。

しかし残念ながら探していた雲はどこにも見当たらなかった。

一方で思いがけない発見もあった。


シリウスの光に隠されていた9個の星が見つかった。

この星を見たボネビドー博士は赤いシリウスの謎を説明できる究極の仮説を思いついた。

それは双子星シリウスのずっと外側に第3の星シリウスCがいるというもの。


たまたま2000年前に第三の星がシリウスに近づいていたら。

重力の影響でシリウスCからシリウスA・Bに向かってガスが吹き出し、宇宙空間の雲のようにシリウスを短期間だけ赤くできる。

実はシリウスが三つの星からなる3重連星だという考え方はずっと以前からあった。

1930年頃シリウスの近くで未知の天体を見たという報告が相次いでいた。

1999年1月ボネビドー博士は再びシリウス観測に挑んだ。


向かったのはフランス南西部にある「ピック・デュ・ミディー天文台」

ボネビドー博士が赤いシリウスの原因と考える幻の星シリウスCの観測が始まった。

そしてシリウス周辺の32個の星を映し出す画像を得た。

しかし解析の結果どれもシリウスCではなかった。

ただ、このデータからは新たな事実も明らかになった。


過去の観測に基づいてシリウスの位置をさかのぼっていくと1930年頃に背景の星の近くを通過している。

一時、報告が相次いだ未知の天体はこの星だった。

残念だが これで諦めたわけではない。

観測は可視光で行われたが、赤外線を使えばより暗い天体まで探せる。

暗いシリウスCが隠れている可能性はまだある。

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[シミュレーションによる追跡]

幻の星シリウスCが存在したと考える科学者は他にもいる。

イスラエル・ハイファにあるイスラエル工科大学のハガイ・ペレッツさんはシミュレーショによって宇宙の謎に迫っている。

シリウスについて調べていたら軌道がとても歪んでいた。

こんなに歪んだ軌道を持った星はとても珍しい。

何故こんな軌道をしているのか解き明かしたいと思った。


 お互いをめぐる双子星シリウス観測の結果からその軌道も詳しく分かってきた。

周期は50年、AとBが最も離れたときと最も近づいたときで距離が4倍も変化している。

ペレットさんによればシリウスのような双子星は長い間に互いをめぐる楕円軌道が徐々に変化し円軌道に近づいていくはずだと言う。

それなのにシリウスAとBは歪んだ軌道をしている。

ペレッツさんは第三の星が存在したと仮定し、その後の変化をコンピューターでシミュレーションした。

第三の星は不自然だと考えるかもしれないが、宇宙には三つの星からなる3重連星はたくさんある。

単純な双子の星だと考えていたら起きないようなことが3重連星だと考えることで解ける可能性が出てくる。

中心にある二つの天体シリウスAとB、そして外側に未知の天体シリウスCを配置した計算を進めていくと内側の二つの星の重力によってCの軌道どんどんと歪められていく。

最終的にはシリウスCは弾き飛ばされてしまうが残ったシリウスAとBの軌道は現在と驚くほどそっくりだった。

シリウスに第三の未知の星シリウスCはあるのだろうか。


2011年は日本の「すばる望遠鏡」が、2014年にはヨーロッパの「VLT」がシリウスへ向けられた。

しかし幻の星シリウスCは見つかっていない。

今だに解き明かされていないシリウスを赤くした原因を巡ってこの後さらに驚きの仮説が登場する。

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[赤いシリウスは何をもたらすのか?]

ドイツ・ボーフム大学 ウォルフハード・シュロッサー教授

シュロッサー教授は赤いシリウスの謎に挑み続けてきた物理学者。

シリウスが赤かったのは過去にシリウスBが赤くなったためと考えている。

教授の専門は物理だが天文に関する研究も行ってきた。

さらに歴史も好きだったので赤いシリウスの謎にも自然に興味を持った。

歴史と物理が融合した面白い問題。

教授が注目したのは星の一生のうちに起きる色の変化だった。


 星は水素の核融合によって青白く輝くが、水素がなくなると何十倍にも膨れ上がり赤くなる。

これはヘリウムの核融合で輝く「赤色巨星」になるため。

さらに時間が経ってヘリウムがなくなるとエネルギー源を失い星は収縮し青白い白色矮星になる。

つまり青白い星として生まれたシリウスのような星が晩年一旦赤くなり、その後再び青白くなって冷えて行く。

教授はこの星の変化が赤いシリウスの原因だと考えた。

双子として生まれたシリウスAとBの場合少し重いBが先に赤色巨星を経て、現在のような白色矮星になったはず。


教授が注目したのはシリウスBが赤色巨星だった段階。

赤色巨星になったシリウスBの明るさは理論から推定できる。

教授の計算によれば「明けの明星」として知られる金星に匹敵したと考えられる。

教授が考える かつてのシリウスの姿は青白く輝くシリウスAと それよりも大きい赤色巨星のシリウスBが互いをめぐっている。

これを地球から見ると赤い光が遥かに強く、ひとつの赤い星のように見える。

しかし教授の説は大きな批判にさらされた。


当時の理論では赤色巨星から白色矮星までの変化は数万年かかるとされていたため。

数万年とシリウスに起きたとする二千年では大きな隔たりがある。

赤いシリウスは古代の人の見間違いではないかという説まで登場した。

教授は理論通りではなく短期間で色が変化しても良いのではないかと考えた。

「新しい発見のためには謙虚に宇宙に向き合い規制法論にとらわれすぎないことが大切」とコメントした。

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[茨城県のアマチュア天文家の大発見]

星の色は千年や2000年では変化しない。

そんな常識を覆す発見が、ほかならぬ日本でもたらされた。

舞台は巨大望遠鏡をようする天文台ではない。

16歳で新天体の探索を始めたアマチュア天文家の櫻井幸夫さん。


 自宅の庭にそびえる観測棟は36年前に自分で建てたもの。

晴れた日は毎晩のように ここで写真を撮影し星の変化を追い続けてきた。

そして1996年2月に大きな発見を成し遂げた。

発見した2月21日は櫻井さんの43歳の誕生日で前回2月1日に観測した20日ぶりの晴れた日。

プリントした写真の上に星図を乗せてルーペでしらみつぶしに調査した。

探しているのは製図の黒い点に隠されない光で それが新天体ということになる。

1996年2月に見つけた新天体は詳しい製図と照らし合わせても存在していなかったので過去に遡って写真を調べたところ最初に見え始めたのは前の年の1月 31日頃からだった。


このことは謎の天体が1年ほどの時間をかけて次第に明るくなっていたことを意味している。

これは超新星爆発などとは異なる前例のない現象だった。

射手座の一角にある謎の天体に世界中の望遠鏡が向けられることになった。

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[櫻井天体・ファイナルヘリウムフラッシュ]

いて座の観測の結果、極めて珍しい現象が捉えられていたことがわかった。

桜井さんが発見した新天体をいち早く観測した天文学者がイギリス・コベントリー ウォーリック大学 ドン・ポラコ教授。

通常、急に明るく見えるのは星の爆発現象。

でも桜井さんが見つけた天体は それとは違い普通の星のようなスペクトルを持っていた。

これは奇妙だと思いポラコ教授は大きな望遠鏡で観測することにした。

特殊なフィルターを付けた望遠鏡で観測したところ かつてこの場所に暗い白色矮星があったことがわかった。

燃えカスの星である白色矮星は極めて特殊な条件下で一時的に赤くなり赤色巨星として復活することがある。

桜井さんが発見した星はまさにこの現象を捉えたものだった。


 桜井さんが発見したのは燃え尽きたはずの青白い星の白色矮星。

そして白色矮星の中でヘリウムが一時的に核融合を再開し腰が急激に膨れ上がるという珍しい現象。

この現象は「ファイナルヘリウムフラッシュ」と呼ばれている。

燃え尽きる寸前の星が とても短い時間で色を変えることを天文学者は初めて目の当たりにした。


星の変化にはとても長い時間が必要だというのが天文学の常識だった。

ポラコ教授は わずか数ヶ月で星の色が変わるのを見て本当に驚いたとコメントしている。

発見から2週間後この天体は『櫻井天体』と名付けられ、一生に一度の珍しい天文現象というニュースが世界を駆け巡った。

アマチュア天文家による地道な夜のパトロールのおかげで宇宙の謎がまたひとつ解き明かされようとしている。

普通の天体は見つかっても長くて数年でもう観測が終り研究論文が出たらそれで終わりというケースが多い。

だが今回の天体については20年経った今でも観測が続いていて毎年のように新しい論文が出ている

櫻井さんはこの事でとても嬉しいとコメントしている。


赤いシリウスの謎に挑んできたドイツのシュロッサー教授も櫻井天体が見せた短期間での色の変化に注目している。

教授の研究が発表されたのは桜井天体が発表される10年も前のこと。

当時人間の時間スケールで星が色を変化させると考えた人はごくわずかだった。

そのため教授たちの説はほとんど受け入れられることがなかった。

でも桜井天体がその流れを変えてくれた。

星は思っていたより早く変化することがあり得るということ。

赤いシリウスの原因それはシリウス B が櫻井天体で見られたような短期間で色を変化を起こすとシュロッサー教授は考えている。

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[終章・新たな宇宙望遠鏡への期待]

NASA は2019年に打ち上げる予定の新たな宇宙望遠鏡の準備を進めている。

それは「ジェームズ・ウェッブ(※1)宇宙望遠鏡」

18枚の鏡を宇宙空間で展開し口径6.5mの宇宙望遠鏡を実現する計画。

この望遠鏡による観測を目指しているのが先に登場したシリウスCを探していたボネビドーさん。

搭載される観測装置の開発にも協力してきた。

赤外線観測が可能な この史上最大の宇宙望遠鏡でシリウスCを見つけだしたいとしている。

予言されたシリウスBを100年以上前に見つけたのも当時世界最大のアメリカの望遠鏡だった。

ボネビドーさん達もそんな発見を夢見ているとコメントしている。

望遠鏡が進化する度に新たな発見をもたらしてくれたシリウス。

青白い輝きの中に まだ何かが隠れているはずだと多くの科学者が考えている。

次は私たちに何を教えてくれるのか。

シリウスを巡る謎解きは続く。

※1:ジェイムズ・ウェッブはNASAの2代目長官

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ウィキペディア ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡

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