NHK「“骨”が出す!最高の若返り物質」番組まとめ

2018年2月8日

NHK総合で放送される「神秘の巨大ネットワーク」

第三回のテーマは「“骨”が出す!最高の若返り物質」

骨なんて体を支えるただの棒きれ?

何と! 骨は脳や筋肉など全身の臓器に特別なメッセージを送り出している。

人体の若さを生み出しているのが骨。

カチカチに固いカルシウムの塊だと思われている骨。

でも、その中は意外に隙間だらけ、しかもよく見るとそこにはたくさんの細胞がうごめいている。

実はその細胞たちが発しているものがメッセージとして他の臓器に届けられ、私たちの若さを生み出している。

骨からのメッセージが途絶えると記憶力や免疫力が低下してしまい、命のスイッチが切れるように老化が加速する。

骨の研究者が言うには骨が健康である限り臓器の若さが保たれる。

いうなれば『骨は人体の若さをつかさどる門番』

骨が出す最高の若返り物質、そのパワーを知れば若さが呼び覚まされる。


MCはタモリさんと京都大学の山中伸弥教授(iPS細胞研究でノーベル医学賞受賞者)

アナウンサーに久保田祐佳さん

ゲストに女優の木村佳乃さん、お笑い芸人のノンスタイル石田さん、芸人兼俳優の藤井隆さん。

[番組内容(目次)]

[序章]

[骨量が少なくなった自転車レースの選手]

[骨が出すメッセージ その一 記憶力]

[骨が出すメッセージ その二 免疫力]

[骨が出すその他のメッセージ]

[骨が増えすぎる病の話し]

[骨の作り替えのメカニズム]

[骨の作り替えに関わるメッセージ物質はどこから]

[運動と骨量の関係に関する研究]

[コールドウェルさんのその後]

[ドレイヤーさんのその後]

[次回予告]

[独り言]

[解説]

(番組放送順と多少前後有り)

[序章]

どうすればこの命をまっとうできるのか?

体の中には臓器どうしがダイナミックな情報交換をする巨大なネットワークがあった。

命を支える臓器通しの会話に今こそ耳を傾けよう。


ゲストのノンスタイル石田さんは 今まで12カ所の骨折を経験している。

雑誌の写真撮影でカメラマンからの要望にこたえ、振り向いただけで肋骨を折ったり、デコピンをして中指の先を折ったり。

そんな骨の数は人間の場合 約200個ある。

骨もネットワークを支える大事な一員。

固くじっとしているイメージに反して大事なメッセージを出している。

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[骨量が少なくなった自転車レースの選手]

ブレイク・コールドウェルさんは米国自転車レースの選手で現在33才。

彼は19才でプロデビューしてから数々のレースで優勝し、全米選手権でも準優勝をはたした経歴の持ち主。

ところがキャリアの絶頂期に骨の異常が見つかり引退に追い込まれた。

キッカケは太ももの付け根に当たる部分の骨が折れる「大腿骨近位部骨折」だった。


コールドウェルさんは25才当時に自転車で友人の家に行く途中に雨で滑って転んだ。

ゆっくり歩く程度のスピードだったが、凄い痛みでただ事ではないと思った。

検査をした結果 極端に骨量が少ない事が分かった。

事故直後の検査データで25才にも関わらず80才並みの少なさ。

いったい自分の体の中で何が起こっているのか不安になった。

骨量が下がると骨の内部がスカスカになり骨折しやすい。

実は骨量が下がる事の恐ろしさは折れやすくなるだけではない。

高齢者の場合、大腿骨の骨折をきっかけに4人から5人に一人が1年以内に死亡すると言うデータがある。

その原因の一つは骨が出すメッセージ物質。

骨量が下がると若さを生み出すメッセージ物質が出なくなる。

そのため全身の老化が急速に進んでしまう恐れがあるのだ。

では骨はいったいどんなメッセージを発しているのか?

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[骨が出すメッセージ その一 記憶力]

最近新しい事が覚えられなくなった?!

心当たりがある貴方はもしかすると骨が出すメッセージ物質が不足しているかもしれない。

骨の働きについて研究する米・コロンビア大学教授 ジェラール・カーセンティさんの話し。

カーセンティさんは骨が発するメッセージ物質「オステオカルシン」を発見した。

大きさは10万分の1mmに満たない小さな粒。

記憶力をつかさどる重要な働きをする。

カーセンティさんは遺伝的にオステオカルシンをつくれないマウスを使って実験した。


実験で用意したのは小さな島を浮かべた水槽。

マウスを水に入れると島に辿り着こうとする。

ポイントは島に辿り着くまでの時間。

1回目の実験ではオステオカルシンを作れるマウスも作れないマウスも同じくらいの時間がかかり80秒から90秒だった。

ただ、通常のマウスは実験の回を追うごとに時間を短縮する。

一方でオステオカルシンを作れないマウスは1回目と ほとんど変わらない。

通常のマウスが4秒くらいまで短縮しても 作れないマウスの方は何度実験しても80秒から90秒かかる。

マウスの脳を調べたところ作れないマウスでは新たな記憶を蓄える海馬と言う場所が小さくなっていた。

これはオステオカルシンが骨から出ないためと結論付けた。


海馬にはオステオカルシンを受け取る特殊な装置がある。

メッセージ物質のオステオカルシンを受け取ると頑張って記憶しようと働く。

余談

ゲストのノンスタイル石田さんとMCのタモリさんは記憶力が弱いと言う。

タモリさんはともかく石田さんは骨が折れやすい体質なのでうなずける。

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[骨が出すメッセージ その二 免疫力]

日本人の主な死因である肺炎や癌。

こうした病の原因になるのが免疫力の低下。

老化のメカニズムについて研究しているドイツ・ウルム大学教授 ハームット・ガイガーさんの話し。

ガイガーさんは、年老いたマウスではオステオポンチンというメッセージ物質が減少していることを発見した。

ガイガーさんは二つのグループのマウスを用意し、片方のグループだけオステオポンチンを与えた。

5カ月後にオステオポンチンを与えたグループに変化が現れる。

体内のウイルスと戦う免疫細胞の数が倍近くに増えたのだ。

メカニズムとしてはオステオポンチンが免疫細胞の元になる物質に届く事で生れてくる免疫細胞の数が増える。

単に体を支えるためと考えられてきた骨だが研究が進むと若さを保つメカニズムが明らかになってきた。

山中メモ

オステオポンチンは状況によって働きが変わる可能性があり研究が進められているとの事。

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[骨が出すその他のメッセージ]

前述のメッセージ物質は記憶力と免疫力に関係していた。

骨が出すメッセージ物質にはその他にも筋力アップや精力アップにも関係している。

そのメッセージ物質は先ほど登場したオステオポンチンで筋肉に届くと筋力アップ、生殖器に届くと男性ホルモンのテストステロンが増え精子を増やす働きをする。


ここで骨を強く丈夫にするにはどうしたらよいのか?

カルシウムの摂取が大事だが、それだけではダメだと分かってきている。

ポイントは骨自身が自分の強さを決めるメッセージ物質を出す事。

手がかりは南アフリカの特定の地域に集中する骨が増える難病にあった。

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[骨が増えすぎる病の話し]

患者の一人はティモシー・ドレイヤーさん27才。

彼の持つ病の名前は「硬結性骨化症」で骨が異常に増え続けるもの。

症例はこれまでに80ほどしかない。

頭蓋骨のレントゲン写真を見ると一般の人の骨の厚みは1cm内外だがドレイヤーさんのそれは数cmもある。

部位によっては5cmもあろうかという厚さ。

このため脳が圧迫されて聴覚や視覚に影響が出てしまう。

ドレイヤーさんは4年に一度頭蓋骨を外し、増え続ける骨を内側から削る手術を受けている。

初めての手術は8歳の時。

辛い手術で術後は動くどころか喋ることすらできない。

二度と経験したくないと毎回祈っているという。

何故ドレイヤーさんの骨は増え続けるのか?


ドレイヤーさんの主治医であるハーマン・ハメルズマさんは50年近くに渡って この難病の解明に挑んできた。

そして骨が出すメッセージ物質「スクレロスチン」に辿り着いた。

スクレロスチンは骨を作るのを止めようとはたらきかけるが、患者の体内には欠如していると分かった。

ドレイヤーさんの体内にはスクレロスチンが全くない。

そのため骨が増え続けていたのだ。

逆に骨量が少なかった前出のコールドウェルさんには このスクレロスチンが大量に発生していると考えられる。

他にも このスクレロスチンの量をコントロールできれば全身を若く保つことが出来る。

そんな期待が高まっている。

 山中メモ

骨は一見静かに見えるが毎日作っては壊す「作り替え」を繰り返している。

3年から5年で全部入れ替わると言われている。

そんな中でスクレロスチンは作り替えのブレーキ役。

またブレーキ役の反対に骨を作るアクセル役のメッセージ物質もたくさんある。

骨を壊す=破骨細胞、骨を作る=骨芽細胞。

なぜ骨を作り替えをするか?

それは疲労骨折を防ぐため常に新しいものに変えていると考えられる。

また、骨はカルシウムの貯蔵庫なのでカルシウムを体に放出するために一度自分を壊しているとも考えられている。

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[骨の作り替えのメカニズム]

骨の内部はカルシウムの柱や血管が絡み合うように張り巡らされている。

今、柱の表面に破骨細胞がくっ付いている。

破骨細胞はアメーバのような動きでカルシウムを一度取り込んで粉々にして吐き出す。

一方骨芽細胞にアクセル役のメッセージ物質が届くと小さな丸い細胞が生まれ始める。

その骨芽細胞は破骨細胞によって大きくなった穴に集まり、どろどろとした液体を満たし始める。

その液体はセメントが固まるようにして骨が作られていく。


骨の中の世界は常に破骨細胞と骨芽細胞がうごめいていて まるで建設ラッシュ。

別のメッセージ物質が漂い始め骨を作るのを止めるようにブレーキ役のスクレロスチンが細胞たちにはたらきかける事で骨芽細胞の動きが納まる。

骨の中ではこうした営みが日々続けられている。

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[骨の作り替えに関わるメッセージ物質はどこから]

ここでアクセル役とブレーキ役のメッセージ物質はどこから出ているのか?

それは骨の中のカルシウムの柱の中に隠れている骨細胞。

この骨細胞は建設現場に例えると現場監督の役割をはたす。

1つの細胞の大きさは0.02mmほどだが その数は全身で数百億にものぼる。

この骨細胞が骨量を調整している。

そして若さを保つ4つのメッセージ物質を出しているのは骨を生み出す骨芽細胞。

骨芽細胞が発したメッセージ物質が血管を通って全身の臓器へと運ばれていく。

余談

私たちの体の若さを保つ不思議な仕組み。

山中教授の母は亡くなる2年前までは元気だった。

ただ大腿骨を骨折してからスイッチが押されたかのように一気に老化が進んだという。

タモリさんの祖母も大腿骨骨折から二年後に無くなっているという。

骨折をきっかけに認知症や腎不全など一気に老化が進むようだ。

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[運動と骨量の関係に関する研究]

骨を強くして若さを手に入れる方法はないのだろうか?

米・ミズーリ大学准教授 パメラ・ヒントンさんの話し。

ヒントンさんは運動と骨量の関係について研究している。

ヒントンさんは骨の異常で引退したコールドウェルさんのケースを分析して出した答えは意外なものだった。

コールドウェルさんの骨の異常は自転車が原因で、幼少期から乗り続けたためと考えられた。

7才から自転車に乗り続けたコールドウェルさんは競技に不要な筋肉をつけないためにランニングなどのトレーニングは行わなかった。

この偏った運動が骨量を減らすことになったと考えられる。


ヒントンさんは、一般の人でも運動習慣によって骨量に違いが出るのか調査した。

調査内容は20代から50代の男性で週に6時間以上ランニングをしている人の骨量を調べるというもの。

すると骨量が少ない人は全体の19%

一方自転車に乗っているグループでは63%が骨量が低下していた。

この結果についてヒントンさんが辿り着いた答えは骨への衝撃の強さの差。

骨は衝撃を受けると骨量を増やそうとする。

自転車とランニングの大きな違いは骨への衝撃。

自転車は衝撃の点ではただ座っているのと変わらない。

骨への衝撃と骨量の関係について調べるためヒントンさんはさらに別の実験を試みた。


その実験では骨量が少ない被験者を対象にジャンプ運動を取り入れ骨に衝撃を与え続けた。

一日30分で週に三回 これを一年間続けた。

その結果は19人のうち18人が骨量が増加。

またブレーキ役のスクレロスチンの量が減少していた。

メカニズム

体に加わった衝撃を感知するのは骨細胞。

骨細胞は互いに結びつき骨の中にネットワークを張り巡らせている。

このネットワークに加わった衝撃を感知して骨細胞はブレーキ役のメッセージ物質を減らす。

また骨を作ってと言うメッセージ物質を出し、骨芽細胞を増すように働きかける。

つまり骨は活動的に動いている限り骨芽細胞を増し若さを保つ。

逆に活動を止めると骨は若さを保つ必要が無いと判断し骨を作れと言うメッセージ物質を止めてしまう。

一日の大半を座って過ごしてしまうと若さを保つメッセージ物質を減らしてしまう可能性があるのだ。


この骨の働きは進化の過程で得た『活動的な個体を生き残らせるため』と考えられている。

太古 狩りをするためには筋力や記憶力を高める必要があり、子孫を残すためには精力が大事でこれら全てが必要。

骨は私たちの活動状態を見張り若さを保つ判断をする『人体の若さの門番』

山中メモ+余談

自転車は決して悪いものではない。

心肺機能のアップ、メタボ予防、筋力アップにつながる。

ただ骨を刺激すると言う点では効果が無い。

階段の上り下りも衝撃に関して効果的な運動なので このような運動も取り入れると良い。

ただ高齢者だったり膝が悪い人は無理をしない方がよく、水中ウォーキング・ストレッチ・ヨガなどでも効果がある。


ノンスタイル石田さんは骨折した時に医師から「日光を浴びてよく歩いて下さい」と言われた。

石田さんは当初骨年齢が70代と言われていたが、ここ数年で50代まで若返ったという。


また高齢者の人が骨折した場合の対処については少しでも早く手術をして一日でも早く起き上がってもらう事だという。

『骨は活発な動きを感じ取り、活発な個体を応援する臓器と言える』

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[コールドウェルさんのその後]

骨折に配慮しながらランニングやジャンプ運動など骨に刺激を与える運動を始めた。

運動を始めて一年、骨量は少しずつ上がってきている。

コールドウェルさんのコメント

骨を失う経験をした事で必ずしも前に進み続ける事だけが人生ではないと学んだ。

骨と同じように人生も立て直すことが出来る。

時には何かを失っても必ず取り戻すチャンスは巡ってくると信じている。

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[ドレイヤーさんのその後]

ドレイヤーさんは大学で分子生物学を学び、今はスクレロスチンを研究する大手製薬会社で働いている。

スクレロスチンをコントロールすることで骨粗しょう症の新薬を開発しようとしている。

開発のキッカケは難病の原因だったスクレロスチンが発見された事。

骨が持つパワーをさらに解明したいと言う。

そして、その成果が多くの人の救いになってほしいと願っている。

ドレイヤーさんのコメント

僕たちの病気がキッカケで骨量不足の多くの人たちの薬が開発されるなら 僕が絶えてきた手術や苦しみも少しは救われる。

科学の限界を押し上げ、骨についてもっと理解したいと思っている。

人生を意味あるものに出来たと信じたい。

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[次回予告]

第四集 「万病撃退!”腸”が免疫の鍵だった」

放送は1月14日(日)夜9時から

キーワードは、

「免疫については骨だけではない」

「腸内フローラによって辛いアレルギーを根本から抑えられることが分かってきた?!」

番組まとめ記事↓↓↓

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[独り言]

個人的には遺伝的に骨が太い。

親族の葬儀のたびに参列者から「骨が太い」とよく言われる。

歴代の家系を見渡しても癌と肺炎で亡くなった人は思い当たらないし聞いた記憶もない。

(ただし、不整脈・脳梗塞・認知症の家系ではある)

今回の番組を見て もしかすると骨太な家計が関係しているのかもしれないと思った。

ただ疑問に思う経験もある。

自律神経失調を患った時期は免疫力が徹底的に落ちた。

少し寒い思いをしただけで風邪をひき、年の半分とは言わないが1/3ぐらいは体調がすぐれなかった。

短期記憶もままならない状況に陥り、今にして思えばストレス続きで海馬が委縮気味だったのではないかと思っている。

それでも癌などの重病にならずに済んだのは何故だろう。

免疫は骨だけじゃない、ちまたでは腸が元気なら病気にならないという話しも耳にする。

次回第四集を見る事で もしかしたら疑問の一端が解けるのかもしれない。

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