BS NHK「クレオパトラが残した 古代エジプト天文学」

2017年

NHK BSプレミアムで放送されている「コズミック フロント☆NEXT」

テーマは「クレオパトラが残した 古代エジプト天文学」

番組紹介

(投稿内容は管理人が思いついたもので番組内容を保証するものではありません)

公式ページでは、

「『クレオパトラの天体図』という石版がある」

「星座や暦、実際に起きた日食が描かれ、古代エジプト天文学の“集大成”ともいえるものだ」

「古代エジプトでは、北の星に特別な意味づけをし、さらに南の星から現代の暦や時間の概念を生み出していた」

「さらに、驚くほど高度な天文観測の技術で正確な方角を見定めていた」

「古代エジプト文明はどのように天文学を発展させたのか?そのミステリーをクレオパトラの天体図から解き明かす」

と紹介されている。

予習

クレオパトラの天体図

クレオパトラの天体図はデンデラ・ハトホル神殿に残されていた円形天体図で現在はパリにあるルーブル美術館が所蔵している。

天体図には古代エジプト固有の星座の他にメソポタミア発祥の黄道十二星座(※1)も記されている。

さらに紀元前50年ごろに起きた日食についても描かれていて、それを紐解くことは古代の天体現象を知る手がかりの一つになる。

また永遠を重んじ魂さえも永遠と信じたエジプトにおいて変化(≒死)を意味する日食現象を記した天体図を神殿に取り入れた事は謎である。

参考リンク

※1:ウィキペディア 黄道十二星座

ウィキペディア デンデラ・ハトホル神殿

エジプトで天文学が発達した理由

古代エジプトでは太陽と星の動きを知ることは経済と国政に直結していた。

特にナイル川の氾濫を知ることは重要。

氾濫している間の農閑期を知り、農耕の代わりにピラミッド建設を行う期間を定めるために重要だった。

(農閑期に公共事業としてピラミッド建設を行ったと言われている)

特に大事だったのは「おおいぬ座」のシリウスの動きを知る事。

シリウスと太陽が同時にのぼる時期がナイル川の氾濫時期だったためだ。

またエジプトの王は北の星にあこがれていた。

そして巨大ピラミッドは四辺が正確に東西南北に向いていることから分かる通り、方位を知ることはピラミッドを王墓とし建設するときの最重要な指標でもあった。

余談

北極星は真北を示す星として知られているが厳密には真北ではない。

にも関わらず正確な北を分かっていた古代のエジプト人たちの努力と知恵には脱帽する。

北極星が真北ではない事を示すものとして天体望遠鏡を支える赤道儀を真北に合わせる時に用いる極軸望遠鏡がある。

この極軸望遠鏡を覗くと自転軸を示す中心点があり、他に北極星を合わせる(自転軸を中心にした)輪が記されている。

そして季節によって輪の線上のどこに北極星を合わせるかが分かる様になっている。

この様に自転軸と北極星は厳密には一致していない。

ちなみに方位磁針の示す北も真北ではない。

こちらは北極星よりも精度が荒く、真北に対して5°前後狂いが生じる(※1)

※1:方位磁針を使う場所によって角度の差=偏差は違ってくる。

参考リンク

ウィキペディア 赤道儀

教師のための天体望遠鏡マニュアル(PDFファイルで14ページ目に極軸望遠鏡に関する記述がある)

ウィキペディア 方位磁針[偏差]

メソポタミア天文学がエジプト天文学に取り入れられた謎

この点は番組で取り上げられるかどうか分からない。

ただ今後天文学の歴史を知り、新たな発見につながる可能性として取り上げておく。

先に記した通りクレオパトラの天体図にはメソポタミア天文学の黄道十二星座が描かれている。

メソポタミア文明はギルガメッシュ叙事詩に代表されるように「英雄でさえ永遠の死を迎える」文化。

一方でエジプト文明は信じる神が王朝によって変わるものの『永遠の魂』を重んじる文化。

そんなエジプトが死を信じる異文化を受け入れたのは何故だろうか。

紀元前7世紀ごろのメソポタミア=アッシリアによるエジプト支配が関係しているのだろうか。

参考サイト

ウィキペディア 古代エジプト

ウィキペディア ギルガメッシュ叙事詩[ギルガメッシュの死]

ウィキペディア メソポタミア[アッシリア]

メソポタミアとイスラムの間をつなぐ天文学

現代天文学の礎となっているのは古代メソポタミア・古代ギリシャ>中世イスラム天文学。

これら古代と中世の天文学をつなぐ担い手がエジプト天文学ではなかろうか。

それらを調べ検証する事と今後の発掘調査を勧めることで、今で走りえない古代の天文学上のイベントを知る手掛かりになっていくのだろう。

「コズミック フロント☆NEXT」では過去に「イスラム天文学」や「アボリジニ(オセアニア)天文学」を取り上げてきた。

今後は古代アメリカ大陸の天文学=ネイティブアメリカン・マヤ・アステカやグレートブリテンのストーンヘンジなどを取り上げてもらえたらと期待したい。

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