NHK「貧富の差をもたらすものは何か?」番組まとめ

2018年

NHK Eテレで放送された「モーガン・フリーマン 時空を超えて」

テーマ「貧富の差をもたらすものは何か?」

少し難解だった内容のポイントをまとめてみる。

目次

[序章]

[モーガン・フリーマンの話し]

[遺伝子学]

[神経科学]

[経済学と遺伝的多様性]

[物理学の熱力学]

[微生物学]

[生物学]

[環境学的恥と罰]

[モーガン・フリーマンからのメッセージ]

解説

(番組放送順と多少前後有り)

[序章]

お金持ちは良い場所に良いタイミングで生まれただけか?

貧しい人は巧妙に仕組まれた制度の犠牲者?

貧富を分けている要因は生物学・物理学が関わっているかもしれない。

多くの人が格差の解消を願っているが、もし勝者と敗者を分けるモノが自然の摂理だとしたら、貧富を分けるのは何か?

専制君主・国王・企業のトップなど歴史を見ると ごく一部の人々が生れながら莫大な富を手にしてきた。

金持ちになる資質も手に入れたという人もいる。

持てる者、持たざる者を分けるのは遺伝子なのか。

富を保ち続ける生物学的理由があり、平等な社会は自然の摂理に反するのか。

科学者たちは解明に躍起になっている。

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[モーガン・フリーマンの話し]

子供の頃、私の近所にお金持ちはいませんでした。

どこかにいたのでしょうが火星人と同じくらい遠い存在でした。

貧しかった私は近所の空き瓶を拾い集めて現金に変えました。

映画を見るためです。

映画に出る側になった今、お金の心配をする必要はもうありません。

貧しい生い立ちでも人生に失望しなくて良いと私の半生が実証しています。

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[遺伝子学]

バージニア大学 行動遺伝学者 エリック・タークハイマーの話し。

世界で暮らす人々の中には貧困が何世代も続いている。

両親からは財産だけでなく遺伝子も受け継ぐ。

遺伝子の発見以来、科学者は財産と遺伝子の関係を研究してきた。

遺伝子は体の中の設計図で人には2万5千の遺伝子がある。

それは性質にどんな影響を及ぼすのか。

タークハイマーは人間の複雑な行動がどう遺伝するのか研究している。


複雑な行動を起こす個々の遺伝子の要因を探るのは一本一本の糸を見て出来上がりの織物の模様を想像するようもので無理がある。

人間の持つ染色体23対のうちの1対の遺伝子の相互作用でも他の遺伝子が複雑に作用に絡んでいる。

2001年以降、ヒトゲノムの解析が進むと野心的や我慢強いなど特定の性質に関係する遺伝子が見つかったと発表があった。

生まれつき成功する人しない人を特定できるという学者もいた。

現在では銀行のローン申請の時に唾液の鑑定をしたり、子供の親権が遺伝子の優劣によって決まるという研究は間違いだったと分かった。


タークハイマーは視点を変え織物の出来上りの模様を見て解析する研究方法を考えた。

それは統計ソフトを駆使して、膨大な量のデータを分析する事。

対象は世界中の双子、人格を育むのは遺伝子か環境かを見るのに適していたからだ。

また将来お金持ちになるか予測する手がかりとしてIQ(知能指数)を用いた。

結果は極度の貧困の中で育った場合は、家庭環境の影響が大き過ぎて遺伝子が役割を果たしていなかった。

金儲けの天才になる遺伝子を持って生まれても劣悪な環境で育てられると才能が開花しない。

一方で裕福な環境で育つ場合は遺伝子が大きな役割を果たしていた。

貧困生活に陥る人と金持ちになる人の間には遺伝的違いがある程度は当てはまる。

だがこの研究が示すものは、

『お金持ちになる遺伝的特徴を持って生まれても、劣悪な環境で育てられればその特徴が表れない』

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[神経科学]

ペンシルベニア大学 神経科学者 マーサ・ファラーの話し。

遺伝子と環境によって左右される運命は変えられないのか。

経済的に成功するかは12歳までに決まると言う。

貧困は若い脳に影響を与える可能性があると示唆する。


ファラーは貧しい家庭の子供がIQテストや学校の成績が良くないことに疑問を持った。

ファラーは神経生物学の視点でこの研究をしている。

それは様々な社会的・経済的階層の子供たち数百人の脳を定期的にMRIスキャンするもの。

その結果、富裕層と貧困層の子供の脳に構造的違いがあることを発見した。

極度の貧困状態に育つと海馬の成長が遅れ、前頭前皮質も委縮すると分かった。

海馬は学習・記憶・ストレスコントロールに関わり、前頭前皮質は記憶・知覚・運動機能を助けている。

裕福な家庭の子供は脳の皮質がより厚くなる傾向があることも分かった。

脳の発達は生まれつき違いがあるわけではなく、幼い子供の脳の成長を阻害するのは遺伝子より知的な刺激の欠如と貧困がもたらすストレス。

『本を読み聞かせ、おしゃべりしたり、子供の興味を掻き立てる場所に出かけるなどの多くの刺激が脳の発達を促進すると言われている』

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[経済学と遺伝的多様性]

ウィリアムズ大学 クァラル・アシュラフとブラウン大学 オーデット・ガロアはともに経済学者。

二人の発言は過激とされ、異端児扱いされている。

二人は世界的に見られる不平等による国家間の経済的格差の原因を比べてきた。

それによると国の経済の活況は国民の遺伝的多様性(※1)に寄ると言う。

貧困を分ける要因に個人でなく国家にまつわるものがある。

金持ちになるには住む国が重要と言う。


2000年前に ひと財産稼ぐにはローマを目指した。

20世紀はアメリカで今ならば中国になるだろうか。

時代ごとに特定の場所が富に溢れ、他より貧しい国が出来るのは何故か。

二人は遺伝的多様性と経済発展に因果関係があり、それが太古から見られることを発見した。

それは4~8万年前に遡っても変化せず、現在のデータにも表われている。


世界中の様々な民族はアフリカに起源を持っている。

アフリカ人は遺伝的に最も多用。

進化生物学者なら先住民の集団がアフリカから離れるほど遺伝的多様性が失われることを知っている。

二人は過去8万年に渡る遺伝的影響を過去2000年の経済発展指標と比べてみた。

すると、今 世界中で見られる富の分配の不平等の原因の約6分の1を占めるのが遺伝的多様生だった。

また、遺伝的多様性は大きすぎても小さすぎても経済発展を損なうと言う。

彼らによると歴史の中で成功した社会は遺伝的多様性のスイートスポットにはまった社会。

今日ではアメリカがそれに当たると示唆する。

多様性に富んだ社会は急速に変化する技術への対応力が高く技術革新を促進させる。

ただ論議を呼ぶのはこの点。

もし遺伝的多様性が最適な国があるなら、そうでない国もあるはず。

そうでない国は革新性に欠ける傾向がある事になる。

また、一方で多様生のレベルは上がるほど信頼感・団結力・協調性は低くなる。

適度に多様性を持つ社会が、新しい意見が出やすく技術革新や経済発展につながりやすい。

一部の人類学者は二人の意見は経済発展を名目にした人種差別や民族大虐殺を正当化する道具に使われると危惧する。

この反論に対して、二人は全く逆でアフリカに見られる多様性過度でも そのレベルなりの恩恵を受けていると返す。

豊かな多様性を尊重し様々な民族集団を保護していけばよいと言う。

『特定の個人や社会が経済発展に有利と言っているわけではなく、重要なのは多様性のバランス』

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※1:遺伝的多様性(ウィキペディア)

余談

遺伝的多様生とは、ある種(例えば人間だけ)の遺伝子を見た時に遺伝子の種類がたくさんある事。

特定の病気に強いとか、身体能力が高いなど 人によって特徴が違い、多種にわたった遺伝的特性を持つ事。

ちなみに絶滅が危惧される沖縄県西表島のイリオモテヤマネコはDNAを調べた結果、遺伝子の多様性が認められなかった。

これは個体数が減ったため、数が減って近親繁殖せざるを得ないため、特定の遺伝子を持つ物だけ生き残ってしまったためと考えられている。

いずれにせよ周りからの保護が無ければ発展・増殖できず絶滅に向かう事を意味している。

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[物理学の熱力学]

メリーランド大学 経済物理学者 教授ビクター・ヤコベンコの話し。

国であれ個人であれ文明の誕生以来常に持つ物と持たざる者が存在する。

例え富と権力を持つ者が変わっても格差は残る。

万人に富みが行き渡る社会を作ることはできるのか。

ヤコベンコは可能性が低いと言う。


今日ウォール街はお金の動きを予測しようという物理学者で溢れているがあまり上手くいっていない。

それはお金持ちは他の大多数と違うルールでプレーしていることを見落としているからかもしれない。

ヤコベンコは何故 所得に格差が出来るかを調べている。

彼は経済物理学(※2)の観点から熱力学の知識を応用して金融市場・資本・収益力について研究している。

その熱力学の元は19世紀の物理学者が気体分子の動きを予測した数式のボルツマン分布。

そして経済においては富裕層の経済と、その他大勢の経済があると発見した。

データが示す階層は中間層が無く下層と上層の2つ。

データによれば世界人口の97%は下層で残り3%が上層。

1500人ほどの超億万長者がいる一方で、20億人が1日2ドル未満で生活している。

アメリカの人口3億1100万人に当てはめると約3%を占める上位900万人がアメリカのほとんどのお金を独占しているという。

以下にアメリカ経済における所得の確率分布を示す。

所得分布

低所得者数50%の総資産はアメリカの資産の10%しかない。

所得の著しい格差はアメリカに限らない。

少数のお金持ちに大勢の貧しい人たち、これはどの社会にも継続して見られる特徴。

ヤコベンコは物理学の知識=分子の動きを金融データに当てはめてみることでその原因を解明できると思った。

そしてほぼ全ての国で富裕層の経済と、その他大勢の経済があることを発見した。

アメリカなら15万ドルを超える収入を得る人口の3%の人と、その他の97%では別次元の生活をしている。

前者を超熱経済、後者を熱経済と呼ぶ。

その動きは鍋の中の沸騰する水分子の動きとを表すボルツマン分布と合致する。

人口の97%にとってお金の動きはボルツマン分布と同じ曲線を描く。

最初は同じ額を持っていても時間経過とともに変わっていく。

中間層は多く極度に貧しい人や比較的裕福な人は少ない。

しかし3%にいる上層はこの分布に当てはまらない。

超熱経済は沸騰した水から放たれた水蒸気の様な物。

蒸気は最も高いエネルギーを持った水分子で上層に到達し この分子はボルツマン分布から放たれ「ベキ乗則」に従う。

そこには上限が無い。

ベキ乗則

全く違うルールを持つ2つの経済が存在するのは何故か。

97%を構成する層は給料をもらって暮らしている。

一方3%の上層は株や不動産に投資する。

固定給で暮らす大多数と違い、上層が得る利益は天井知らず。

上記の例えで言うところの鍋と言う境界を突き抜けている。

ヤコベンコに寄ればこのパターンは古代エジプトから絶えず続いていると言う。

どれほど平等な国家に生まれてもやがてこのパターンに支配される。

例えばイスラエル。

1948年の建国当初は社会主義的傾向の国だった。

人々の収入はほぼ同額だったが、やがて所得差が広がり始め1990年には熱経済に達した。

この例から見ても40年ほどの間に平等だった富の分配は不平等な形へと変化している。

その後上層が出現し格差はさらに拡大した。

まとめると、

『平等であろうと言う状態は不安定で、ちょっとした原因で消滅する』

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コトバンク 経済物理学

ウィキペディア 経済物理学

コトバンク ボルツマン分布(マクスウェル‐ボルツマンの速度分布則)

ウィキペディア ボルツマン分布

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[微生物学]

米国ウッズホール海洋研究所 海洋化学者 トレイシー・ミンサーの話し。

富裕層には独自の物理法則がはたらく。

しかし富裕層が共に生きるのは貧しい人々。

共存・共栄の鍵は生物学の世界にあるかもしれない。

ダーウィンは生命の進化を生き残りをかけた戦いに見立てた。

この論法だと貪欲な者こそ勝者で金持ちが欲しい物を手に入れることも仕方なく思える。

しかし進化の理解は変わりつつある。

利己主義(※3)と同じくらい重要なのは協力と共同体かもしれない。


ミンサーは地球最古の共同体と言える微生物のコロニーを研究している。

世界中の微生物を採取し試験管の中でしか見られないモノが研究対象。

単細胞生物は地面や木の中、体の中など至る所にいるが進化の初期段階から存在してきた。

以前は集団の機能しか観察できなかった。

現在はゲノム研究や塩基配列の決定、分子生物学やクローニングの飛躍的進歩の御陰で単細胞の成長を観察し、それが発するシグナルを見ながら何が起きているか理解できるまでになった。

人は微生物の適者生存のルールに従い、自らが生き残るために戦うと想像するだろう。

しかしミンサーは単細胞微生物でさえ他と協力することを突き止めた。

具体的にはビブリオ菌の実験。

魚に病気を引き起こすビブリオ菌の一種をシャーレに入れて、そこにビブリオ菌を食べるブラインシュリンプの群れを放つ。

ビブリオ菌の一部は身を守るためにブラインシュリンプを殺す毒素を生成する。

この毒素はビブリオ菌の近縁者を殺すことは無い。

ただ毒素を生成したビブリオ菌は自らを犠牲にする。

微生物の世界でも自己犠牲の利他主義(※4)が見られた。

『個体それぞれは利己主義かもしれないが、最も単純な生命でさえ いざとなれば種の生存を優先し利他主義的行動をとる』

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コトバンク 利己主義

ウィキペディア 利己主義

コトバンク 利他主義

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[生物学]

ジョージア州立大学 進化生物学者 サラ・ブロスマンの話し。

人間は生命体として進化するどの時点で公平性を意識したのか。

ライオンの世界では群れの力で捕らえた獲物をボスが奪い去る。

この行為を人間は自然の掟と納得するが、お金持ちが必要以上に財産を増やすと不公平だと抗議する。

公平性の概念は進化の過程で私たちに織り込まれたものかもしれない。

不公平に怒る動物は他にもいるのか、ブロスマンは人間と同じ霊長類の猿を調べることで答えを得ようとしている。

それによるとブロスマンは公平性の欲求は遺伝的に擦りこまれたものだと言う。


チンパンジーの遺伝子の98.5%は人と同じ。

貧富と格差が問題になっている人間社会と同様にチンパンジーの社会も不平等がある。

群れを支配する少数のボスが食べ物をため込み、他のチンパンジーは残り物で食いつなぐ。

地位の低いチンパンジーは健康状態が悪く、多くのストレスにさらされ、パートナー探しにも苦労する。

だがチンパンジーはそのような境遇を運命と受け入れていないと言う。


ブロスマンは社会的行動の起源・人間の意思決定がどのように進化したのか調べている。

特に関心を持っているのは人間に近い猿が不公平な状況にどう反応するか。

(ここで不平等とは単に同じ報酬が得られない事、不公平は努力に見合った報酬が得られない事を指す)

具体的には複数のオマキザルを使ってそれぞれの報酬に差をつけて反応を見る。

同じ集団にいるオマキザル2匹を隣同士にして それぞれに交代で仕事をさせ、出来たら報酬を与える。

どちらの猿もピーマンが好きだがブドウはもっと好き。

初めは両方にピーマンを与えるがその後、一方にブドウを渡す。

ピーマンを与えられたオマキザルはピーマンを床に叩き落とす行動をとった。

あるサルの組み合わせではブドウを与えられた方が報酬を拒否した。

この結果が示すのは動物はボスが より良い食べ物にありつくのを受け入れようとするが それにも限度があること。

また力が強い・有利な方でも限度をわきまえている事。

群れには仲間が必要で、食べ物を分け与えることで群れに留まりたいと思わせなければならない。

ボスは独裁者と言うより連立政権のリーダー的存在と言える。

自分の地位を守るためあらゆる階層の猿からの支持を得る必要が有る様だ。

人間もオマキザル同様にある程度の不平等は受け入れるが不公平は耐えられない。

『公平である事の意味はもらう物の多少ではなく、他者を平等に扱う事で物事を平等に運ぶための道徳的義務の様なモノ』

『それが原動力になって公平性の概念が進化し、協力的なパートナー選びに役立ったと考えられる。』

余談

無欲・利他的行動が自分に帰ってくる利益を高めるための行動だとしても これは利己主義ではない。

あくまでもに自分を律する行動なので利他主義になる。

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[環境学的恥と罰]

ニューヨーク大学 環境学者 助教 ジェニファー・ジャクェットの話し。

公平性と利己主義の2つのバランスが社会を前に進める。

世界で最も裕福な85人が持つ資産は最も貧しい35億人分の資産に相当する。

富める少数が極端な利己主義に走れば暴動が起き大勢が危険にさらされる可能性がある。

猿と同様に人間も権力を乱用するリーダーを追い出す行為を取る。

もっと穏便な方法はないのか。


持てる者と持たざる者の拡大する格差を縮めることはできるのか。

ジャクェットは「共有地の悲劇」と呼ばれる現象に興味を持っている。

これは牛飼いをモデルにした問題提起。

共有地は牛飼いたちの共同の牧草地だが、牛1頭を増やせば個人の利益になる。

牛を養うコスト(=共有する牧草地の管理)は全員が負担するため利益のある個人と全員の間に緊張が生じる。

問題は牛を増やして利益を独り占めしようとした一人が全員を破滅に追いやる危険性があること。

超富裕層の利己主義がこの悲劇を現実にしている問題は世界的に見られると言う。

海、空気、森林や渡り鳥など多くのモノがこの共有地と同じ運命にある。

ごく少数の力で世界中が分かち合う全てを壊滅させる事が出来る。

人間の社会は法によって市民の行動を制限するが、極めて裕福な一部の人間は法をくぐり抜けたり作り替えたりできる。

こういった人たちから共有資源を守るにはどうすればよいのか。

革命は度々起こるがジャクェットは恥の意識が人の心に訴えると言う。


ここで言う恥とは罰を受ける様なモノ。

自分だけ皆の期待と違う行動をしたときに それを暴露される。

ジャクェットが行った実験は他のメンバーに匿名の場合と明かされた場合で行う。

参加者は互いに話す事を禁止。

上記の通り最初は匿名で持ち金は10ドル。

共同資金への掛け金は1度に1ドル。

10回行い 終わったら共同資金を倍にして皆に平等に分配する。

全員の協力で持ち金を倍にしようとするゲーム。

ただ出資者は共同資金に出資するしないを選べる。

次のゲームでは一番ズルした者と一番貢献した参加者を発表する。

結果は、

匿名の場合は全員20ドルにならないどころか、はるかに下回る。

あるグループでは2人が所持金の10ドルを手元に置き、倍になった共同資金の分け前を受け取った。

一方で出資者が明らかになるゲームでは匿名の時と比べて50%も増す結果になった。


現実世界で恥の意識はどんな効果を発揮しているだろうか。

2008年アメリカ政府は銀行救済に2450億ドルを投入した。

そのときでも多くの銀行では職員にボーナスを支給し、その総額は200億ドル。

当時のオバマ大統領はそれを恥ずべき行為と非難した。

しかし当の銀行家たちはそれを恥ずべき行為と見なかった。

何をもって恥ずべきかは見る人次第。

超裕福層の多くは これでもルールを破っていないと言うだろう。

確かに彼らの投資が雇用を生み経済を成長へと導く。

しかしずるく立ち回る人は必ずいて、彼らが民衆のさらし者になるなら恥も一定の効果を発揮するだろう。

(カリフォルニア州では税金滞納の上位500人をネットで公開している)

『恥だけで貧富の差を無くすほどの効果は無いと言う』

『でも恥は罰としては安上がりで相対的に効果が小さいとしても他に手段がない場合もある』

関連記事

コトバンク 共有地の悲劇

ウィキペディア コモンズの悲劇

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[モーガン・フリーマンからのメッセージ]

貧困は遺伝しません。

貧富を共に経験した私(モーガン・フリーマン)が生き証人です。

富の分配に関わる力は複雑です。

生物学・物理学・心理学など様々な要因が混じり合い、個人のみならず人類の歴史全体に影響を与えます。

『いつの日かその謎が解明され一人一人が持って生まれた能力をフルに発揮できる日が来ることを願ってやみません』

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