NHK「神秘の巨大ネットワーク プロローグ」番組まとめ

2018年

NHK総合で放送された「神秘の巨大ネットワーク」の「プロローグ」

従来よりも広い視野でみられる顕微鏡の開発などで今まで見ることができなかった血栓や癌細胞の動きを明らかにできるようになってきた。

また様々な臓器から他の臓器へ向けて放出されるホルモン=メッセージ物質で臓器どうしが会話している事が分かってきた。

脳が全ての司令塔と思われてきた今までの常識を覆す発見の数々。

医学の発展と健康を取り戻すための取り組み、可能性を探る。

今回はプロローグの番組構成、解説、次回以降の予告、独り言の順で投稿。

[番組構成]

MCはタモリと京都大学の山中伸弥教授(iPS細胞研究でノーベル医学賞受賞者)

アナウンサーに久保田祐佳さん

石原さとみさん博多大吉さんの合計5人で進行。

情報はビデオ映像・ゲストを交えたトークの他に、床一面をつかったプロジェクションマッピングやブロックで模したタモリ人形(特定の操作で喋る)などを使って紹介。

目次

[新時代の顕微鏡]

[メッセージ伝達ホルモン:ANPなど]

[ANPで癌治療]

[血液で分かる癌]

[慢性関節リウマチ]

[番組内容]

(番組内容順と多少前後有り)

[新時代の顕微鏡]

新たに開発された顕微鏡で今まで見る事が出来なかった映像・現象が見られるようになってきた。

その中で特筆すべき二つの顕微鏡についてピックアップ。

[格子光シート顕微鏡]

従来の顕微鏡では平面的にしか見られなかったが、新しい顕微鏡では免疫細胞の動きを立体的に見ることができる。

蛍光タンパク質で色付けされた免疫細胞の形が時々刻々と移り変わって突起物が合わられたり消えたりする様子が克明に描き出される。

また細胞がガン細胞にくっつき細胞の中から攻撃物質を放出する様子なども見られるようになった。

[8K顕微鏡 生態イメージング]

従来の物と比べて16倍の広い面積が観察できる。

従来は血液の流れの一部しか見られなかった。

それに対して8K顕微鏡は広い範囲を見られることで血液中を血栓が流れていき止まって流れを滞らせる様を見られるようになった。

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[メッセージ伝達ホルモン:ANPなど]

最新の内視顕微鏡で腸の中で栄養を吸収する絨毛(じゅうもう)の細胞一つ(1/100mmの)を顕微鏡で捕らえ そこから放出される1/10万mmの大きさの物質(ホルモン)を確認。

血液によって全身に運ばれ脳や胃や膵臓に腸からのメッセージを伝えている事が分かった。

その他の例として、

腸:ゴハンが来たぞ~>脂肪細胞:栄養ため込むぞ~>膵臓:糖分吸収しないと>脳:満腹になった

肝臓:こんなに鉄分は要らない>腸:吸収止めて ほどほどにする

(鉄分が過ぎると肝臓癌の原因になる)

[解説]

脳内にあるのと同じホルモンが心臓でも発見された。

心臓にもホルモンがあるか調べたところ脳が出すのと同じホルモンが他の臓器でも見つかった。

そのホルモンはANPと名付けられた。

血圧が上がり心臓に負担がかかると心臓がANP放出>腎臓が尿の量を増やし血液の水分量を減らして心臓の負担を減らす>心臓血圧が下がる。

脳が介在することなく心臓と腎臓が直接会話している事が分かった。

それぞれの臓器(細胞)が様々なメッセージホルモンを放出することで独自に会話をし、体を制御している。

(こうしたメッセージホルモンは分かっているだけで何百種類もある)

例えば、

・腎臓が酸素が足りない時に放出するEPOホルモンで持久力アップする。

・脂肪もレプチンホルモンを放出し 食欲や性欲をコントロールしている。

[ANPで癌治療]

癌治療、主に手術の際にANPを投与する事によって術後の2年間再発率・生存率を60%台から90%台まで向上させている。

ANPが血管に作用して再発や転移を抑える事が分かってきた。

[解説]

メカニズムとしては癌患者の血管内壁が痛んでいるところへANPを血管に投与して内壁を修復させ、流れてきた癌細胞を受け取らない(転移しない)様にしている。

内壁が痛んだままだと転移しやすいだけでなく血液の流れが滞るが修復が進むことで心臓の負担も減らす効果がある。

[血液で分かる癌]

血液一滴で13種類の癌の有無を判定できる検査法。

その正確性は90%以上。

3年後の実用化を目指して研究開発が続いている。

[解説]

乳癌は通常は癌ができにくい脳に転移する特徴を持っている。

脳血管の壁には特殊なバリア(※1)がある。

癌細胞はエクソソームというカプセルの中にメッセージ物質を隠して血液中に流す。

血管の壁がエクソソームが有害なモノと分からず通してしまい、内部の悪質なメッセージ物質を放出。

メッセージ物質は仲間のふりをしてバリアを通過、その効き目を緩ませる。

効き目が緩んだバリアから癌細胞が侵入し癌が転移する。

新しい癌の検査では この癌細胞のメッセージ物質を逆に利用する。

エクソソームは癌の種類によって中に含まれる物質が異なる。

その物質を特定する事で癌の種類を判定出来る

※1:血液脳関門と呼ばれているものと思われる。

[慢性関節リウマチ]

リウマチは免疫細胞の誤った情報によって骨を敵と認識して攻撃し骨(主に関節の軟骨)を壊してしまう病気。

症状が進めば痛みが増し動くことも ままならなくなる。

今まで効果的な対処法が見つかっていなかった。

これまでと違う まったく新しいアプローチによって軟骨細胞が回復し人によっては完全に治った例があると言う。

[解説]

TNFαという細胞が敵がいると発するメッセージで免疫細胞が増殖。

関節組織を敵と勘違いし免疫細胞は次々とデマ情報を増やす>免疫細胞が増殖>免疫細胞が合体し破骨細胞になり軟骨を破壊する。

生物学的製剤」という新しい薬を血液によって運び、誤ったメッセージホルモンをブロックする事で破骨細胞の動きを抑制。

従来の薬との併用で一度失いかけた軟骨細胞が回復し、多くの患者さんを助けている。

[神秘の巨大ネットワークの今後の放送]

脳が指令を出すというイメージをかけ離れた、臓器どうしのダイナミックな情報交換。

各放送のキーワードを以下に紹介

第1集:腎臓が寿命を決める

・尿を作るだけでなく様々な臓器とメッセージをやり取りする臓器の要

・腎臓が寿命を左右している

・腎臓が出すメッセージの解明によって新たな高血圧治療

・腎臓がつぶやく「酸素が欲しい」が鍵?

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第2集:脂肪と筋肉の会話がメタボを治す

・何故ダイエットに失敗するのか

・何故メタボは怖いのか

・ポイントはメタボと筋肉が交わす「敵だ」「もう戦わなくていいよ」などのメッセージのコントロールにあり

・メタボ解消の新戦略

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第3集:発見!骨が若さを呼び覚ます(放送12月3日夜9時~2018年1月7日夜9時15分~)

・いつまでも若くいたい人必見

・ある事をすると骨が若さを保つメッセージ物質を発する

・免疫力を上げたり脳の衰えを抑える

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第4集:アレルギーの鍵は腸にあり(放送来年1月7日夜9時15分~1月14日夜9時~)

・花粉症や食物アレルギーの本当の原因

・腸の中で交わされる細菌とのミクロの会話

・腸の会話を健やかにする食生活の秘訣

第5集:徹底解剖!ひらめく脳の秘密(放送来年2月4日夜9時~)

・コンピューターにマネできない脳の記憶と閃きの驚くべきネットワーク

・脳の記憶を増強するのが、ある臓器からのメッセージ

・メッセージの力を使ってアルツハイマー病の克服への挑戦

第6集:生命誕生・あなたを生んだミクロの会話(放送来年3月18日夜9時~)

・卵子一つから形作られる複雑精巧な人体

・胎児の成長はお腹の中の赤ちゃんと母親の間のメッセージのやり取りで決められている

最終 第7集:人体は謎に満ちている(来年放送3月25日夜9時~)

・癌細胞が発するエクソソーム

・最新研究によって健康だけでなく進化に深く関わっている事が分かってきた

臓器や細胞の会話に耳を澄ませることで今までの健康や病気に関する常識が変わる。

[独り言]

今回の放送を見て思い返した事がある。

「臓器移植を受けた人が術後に性格や嗜好が変わり、調べてみると臓器提供者の性格や嗜好が移っていた」

というもの。

ケースによっては移植を受けた人が知らなかった言葉を話すようになるという例もあり やはり臓器提供者が好んで使っていた言葉だったという。

この話を聞いた時は臓器や遺伝子に記憶する能力があってもおかしくないことを示唆していると思っていたのだが、あながち外れていない気がしてきた。

これからの研究開発によって臓器の会話(情報伝達物質など)が明らかになる事で臓器移植に関する倫理観に新たな扉が生まれるのかもしれない。

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