「イスラム天文学」番組まとめ

[2017年11月18日に一部文章を追加し、体裁を修正]

NHK BSプレミアムで放送された「コズミック フロント☆NEXT」

テーマ「知られざるイスラム天文学」

番組内容は宇宙に関する知識を持つ者にとっても衝撃的だったのではなかろうか。

現在 日本で知られている夜空に輝く有名な星の名前はデネブ・リゲル・ベガなどの名前の由来はアラビア語だった。

目次

序章

アラビアで建設された15世紀の天文台

イスラム天文学が発展した理由

観測装置「アストロラーベ」

[独り言]

番組内容

序章

天文学は古代天文学としてメソポタミア(現在のイラン・イラク)、エジプト、ギリシャで発展した。

七世紀に入るとイスラム王朝≒イスラム天文学で観測が向上しヨーロッパルネッサンスへ影響を与えた。

現在主要な星の名前になっているものはイスラム天文学で名付けられたものがほとんど。

例えば夏の大三角を構成する はくちょう座の『デネブ』は「尾っぽ」、こと座の『ベガ』は「落ちる」、わし座の『アルタイル』は「鳥」を意味するアラビア語が語源。

そのほかにオリオン座の『リゲル』や はくちょう座の『アルビレオ』なども語源はアラビア語。

参考サイト

旧暦七夕の前夜に夏の大三角

白鳥座のアルビレオをEF500mm F4L IS II USMで撮る

アラビアで建設された15世紀の天文台

15世紀に建設された太陽観測のためのウルグベク天文台は当時最大級の天文台で0.1°以下の精度で太陽から天文台に差し込む光を測定できた。

ウルグベク天文台での観測から導き出された一年の時間は365日5時間49分15秒で現代との差は29秒と高精度。

(現代の一年の時間は365日5時間48分46秒)

現代の天文学への影響が最も色濃く残っているのがイスラム天文学と言える。

イスラム天文学が発展した理由

ここまで天文学がイスラムの世界において発展した理由はイスラム教における六信五行(ろくしんごぎょう)が関わっている。

一日に五回行う礼拝は聖地メッカに向かって、日ごとに決められた時間行う必要がある。

ベドウィン(砂漠の民)は目印の無い砂漠を旅しながらも方角と日時を正確にする必要が有る。

そのため太陽の動きや夜間の星の動きを知ることが大切な事だった。

また年に一度の断食を行うラマダーンは新月からの数え日数を知る必要が有る。

このため月の観測も重要だった。

余談

太陽の動きを元に観測する太陽暦、月を観測する太陰暦。

15世紀の世界では太陽暦を重んじるヨーロッパ、中国・日本などは太陰暦と通常はどちらかを使っていた。

そんな時代においてイスラム世界では両方を上手く使い分けていたようだ。

観測装置「アストロラーベ」

星の観測装置としてアストロラーベが用いられた。

アストロラーベはギリシャで発明され八世紀のイスラム天文学で実用化された。

(現在使われている星座早見盤はアストロラーベが起源と言われる)

実用化されたアストロラーベは航海などに用いられ、15世紀の大航海時代が始まるまではイスラム文化が航海の主役を務めていた。

余談

イスラム世界について歴史をたどると、イスラム天文学の功績・凄さが見えてくる。

イスラム教の起源であるムハンマド時代の西暦7世紀から大航海時代を迎えるまでの16世紀まで中近東と北アフリカを実質的に支配していたのはイスラム世界。

これはアストロラーベなどの観測装置を用いて洋上航海を可能にし、他で主流だった陸路や河川・運河を使った交易より質と量で凌駕していたため。

陸路や狭い河川に比べて洋上を渡る船は巨大で遠くまで大量の荷物を行き来する事が出来た。

大量の物をやりとりすることでイスラム世界が台頭したようだ。

このイスラム世界の勢力に対抗し、富を築くために行われたのがスペイン・ポルトガルによる探索。

イスラム世界の手が回っていない場所を探索する必要が有っての大航海時代。

イスラム世界は紀元後の世界の歴史において長い間、時代の覇者であり それを支えたのがイスラム天文学だったと言っても過言ではないだろう。

[独り言]

番組を見てイスラム天文学に対する興味が深まった。

イスラム天文学を知ろうとすると イスラム教の事やアラビア語も学ぶことになるだろう。

でも それによって星の名前の起源や いわれを知る事は楽しいし、イスラム文化を学ぶ機会にも恵まれる。

またイスラム文化を知る事でヨーロッパ文化や日本の文化との違いや意外な関わりを知ることができるだろう。

それは これからの世界を知る事にもつながり 正直なところ今まで興味が薄かったイスラムの世界を知る事は無駄ではないと思える。

コズミック フロント☆NEXT関連 BLOG内リンク>「コズミック フロント☆NEXT」

**「エントロピー増大の投稿」を御覧 頂きありがとうございます。**