冬の大三角を狙うなら2017年は12月後半

2018年

風景のメインで使っているPENTAX K-1や野鳥撮影で使っているcanon EOS-1DXの高感度撮影能力が高いため夏ごろから星野撮影にも取り組み始めた。

夏の大三角は何度かチャレンジしたが結果は・・・

11月に入って冬の大三角も狙おうとしたが・・・

一番の問題は結露。

今年は例年に比べても夜間の湿度が高かった。

ただ秋も深まって来れば冷え込む代わりに空気は乾燥してくるはず。

寒い時期にはシ―イングの問題もあるが広角レンズで狙う分にはむしろ結露や光害の方が問題なので条件的には夏より良いはず。

そこで月明かりが無く冬の大三角と ついでにふたつの星団を持つおうし座の観望に適した時期を特定しておくことにした。

最後の方では参考に11月に撮影したおうし座プレアデスやオリオン座のオリオン大星雲とオマケ写真を掲載する。

目次

冬の大三角

大三角周辺の星座

観望に適した日時

星野観望の敵

[参考]11月の星野撮影結果


 冬の大三角

冬の大三角を構成する星はオリオン座の「ベテルギウス」おおいぬ座の「シリウス」こいぬ座の「プロキオン」のみっつ。

星の名前は中世イスラム天文学の影響を色濃く受けているため一部を除いてアラビア語由来が多い。

ただ今回紹介する冬を代表する星座の多くは不思議とギリシャ神話由来の物が多いのが特徴。

ベテルギウスは諸説あるが最も有力なのが「「ジャウザーの手」を意味するこの星のアラビア名のYad al-Jawzā’ [ヤド・アル=ジャウザー] に由来するというもの」

シリウスは「光り輝くもの」または「焼き焦がすもの」を意味するギリシャ語の「セイリオス」が語源と言われている。

プロキオンは名前はギリシア語で「イヌの前に」の意味。

おおいぬ座のシリウスより先に東の空に昇ってくることに由来する。

アラビア名はアル・シァラ・アル・シャミイアAl-She’ara Al-Shamiaで「北のシリウス」を意味する。

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大三角周辺の星座

大三角周辺には小学校の理科でも学ぶ特徴的な星座や星団が多い。

冬の大三角は夏の大三角に比べると実視界では狭い範囲に収まるが周辺の星座が華やかでバラエティーに優れるのが特徴。

ここでは大三角以外にも注目しておきたい二つの星座を見ておく。

おうし座

オリオン座よりも早く東の空に表われる。

おうし座の背中に鎮座するのは和名「昴(すばる)」でも知られるプレアデス星団があり頭の部分に当たるV字を構成するヒアデス星団は目視でも見ることが出来る星団。

プレアデス・ヒアデスいずれに関してもギリシャ神話が由来で7人の姉妹の伝説として知られている

おうし座の全体像を写真で捕えるには35mmの単焦点レンズを使うのが良いだろう。


ふたご座

双子のそれぞれの頭の部分に当たる星にはカストールとポルックスの名前がついている。

いずれも名前の由来はギリシャ神話

ポルックスに関しては「冬のダイヤモンド(六角形)」を構成する星の一つでもある。

冬のダイヤモンド(六角形)

冬のダイヤモンドを構成するのは「ポルックス」の他に大三角の「シリウス」、同じく「プロキオン」「ぎょしゃ座のカペラ」「おうし座のアルデバラン」「オリオン座のリゲル」がある。

ふたご座を写真に収めるだけなら50mm標準レンズでもカバーできるが冬のダイヤモンドを納めるとなると20mm前後の超広角レンズがあった方が良いだろう。

 


観望に適した日時

次の項目の星野観望の敵の事などを考慮すると2017年内で適した日時は12月22日前後の5日間当りと予測する。

時刻は夜8時から深夜0時の間。

(以下の関連記事のリンクをクリックすると12月22日夜10時の天空図が見られる)

理由は冬の大三角と周辺の星座が天頂付近を通過するため。

地平線付近だと夕焼けと同じで大気の層を長い距離通過した光りを見ることになり観望の条件としては不利。

できるだけ大気の層が薄くなる天頂付近を通過する時間帯を選びたい。

また深夜を過ぎると冷え込みはきつくなる一方。

できるかぎり夕暮れに近い時間帯を選んだ方が体を動かす上でも有利と考えた。

関連記事

12月22日夜10時の星空図


星野観望の敵

冬前後の星野(せいや)撮影では夏の湿気は抑えられるが冬独特の天敵が増える。

光害

年間を通じて対策が必要な天敵。

街明かりや外灯などの人工光の他に人工衛星の光りや航空機のライトがある。

また星野観望に慣れていない人にとって意外な光害は月明かり。

特に半月から満月が観望したい星の近くにあると邪魔になる。

星座早見盤や星座早見のソフトウェアなどを使って予め調べておきたい。

凍結

寒い場所での撮影ほどレンズの凍結の恐れがある。

深めのレンズフードが使えればかなりの対策になるが一番好ましいのはレンズヒーターを使う事。

レンズヒーターが有れば夏の撮影時の天敵である結露の時にも使えるので年間を通じた対策が出来る。

シーイング

日本の冬は風が吹く。

特に上空を通る風がレンズの役割をはたしてしまい最悪の場合は像が歪んでしまう。

大きな天文台の最新鋭望遠鏡では大気の揺らぎをキャンセルする補償光学系などを搭載しシーイングの影響を抑えるなどの工夫をしている。

ただ、こればかりはアマチュア天文家には対策が難しい。

それでも対策はある。

1)口径が大きい(※1)レンズを使う。

ここでは開放F値がF1.4やF2といった明るいレンズではなく実際のレンズ前玉が幅広の物を指す。

2)山の中腹を観測場所に選ばない。

これは、山の頂上や麓よりも中腹上空の方が風が吹きやすいためであり必ずしも中腹が悪いと言うわけではない。

寒さ

一番対策すべきは観望者の寒さ対策。

体が かじかんで動きがままならなくなると何かと弊害が増える。

指先が思うように動かせずに真っ暗らに近い環境の中でメモリーカードやバッテリー交換をすると機材の破損や紛失のリスクが高くなる。

何より風邪をひいてしまうと馬鹿らしい。

一昼夜近く観望するつもりなら休憩できる座椅子やサマーベッド、寝袋やカイロなどを用意した方が良い。

いきなり暖かい環境から機材を取り出す、また その逆の行為も避けたい。

機械内に結露が起きると故障の原因になる。

やむを得ない場合はカメラバッグをワンクッションにして直接機材を暖かい場所から出し入れしない様にした方が良い。

また機材のバッテリーの消費が夏より速い。

バッテリーなどは冷えると速く電圧降下を起こすので予備は夏よりも多めに用意しポケットに入れておくなどして温めておいた方が良い。

タイムラプスや長時間露光で数時間単位で連続撮影するときはマメに残量をチェックしバッテリー残量が底をつくより前に交換してはポケットで温めるを繰り返した方が長時間使える。

レンズの他にカメラにタオルなどを巻き付けて寒さ対策するだけでもバッテリーの持ちは違ってくる。


[参考]11月の星野撮影結果

11月はまだ湿気が多く、結露がひどかったため試験的に撮影した日が暮れて早々の時間帯しか撮影できなかった。

そのため大気の厚い層を通しての撮影になり質が悪い事をお断りしておく。

おうし座・プレアデス

↓↓↓焦点距離20mm[pentax K-1]

星野 おうし座

↓↓↓写真の橙色の丸内がヒアデス星団・黄色の中がプレアデス星団

星野 プレアデス・ヒアデス星団

↓↓↓プレアデス星団を焦点距離500mmで撮影[canon EOS-1DX]

プレアデス

オリオン座・オリオン大星雲+オマケ

↓↓↓焦点距離20mm[pentax K-1]

星野 オリオン座・おうし座

↓↓↓黄色の丸内がオリオン大星雲・橙の矢印の先はオマケの三ツ星

星野 オリオン座

↓↓↓焦点距離500mm撮影・ノートリミング[canon EOS-1DX]

オリオン大星雲

↓↓↓上の写真の中央部トリミング有り

オリオン大星雲

↓↓↓オマケのオリオン座三ツ星

オリオン座の一部

↓↓↓長時間露光できれば赤い丸の中に三列星雲・緑の丸の中に馬頭星雲が写るはず?

オリオン座の一部

はくちょう座のアルビレオ

↓↓↓焦点距離500mmノートリミング[canon EOS-1DX]

はくちょう座のアルビレオ

↓↓↓黄色の丸の中がはくちょう座の頭の部分に当たるアルビレオ

はくちょう座のアルビレオ

↓↓↓アルビレオの拡大・トリミング有り

はくちょう座のアルビレオ

アルビレオは別名「宝石箱」と呼ばれる青と赤に光り輝く二重星

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白鳥座のアルビレオをEF500mm F4L IS II USMで撮る

追申

星野撮影は実際にやってみて体感しなければ分からないコツが多数ある。

始めて撮影するときは出来るだけ経験がある人と一緒に行く方が良いだろう。

(私がそうだが)単独で行かざるを得ない場合は、十分な準備と脳内シミュレーションをし事前に下見をして暗くなっても照準を外さない様に工夫し、明るいうちからスタンバイした方が無難だ。

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