カラ類などスズメ大の野鳥たちが群れになって移動する「混群」

2018年

野鳥を観察・撮影していると体長が15cm前後のスズメ大の野鳥が大群となって押し寄せ去っていく様を見ることがある。

特定の樹に押し寄せては隣の樹、また次の隣の樹というように様々な種類の小鳥たちが同じ樹を目指してやって来ては去っていく。

これを野鳥用語で「混群」と呼ぶ(※1)

今回はそんな混群についてどんな状況でどんな野鳥がどのよう振る舞うかを紹介。

※1:アフリカの熱帯多雨林中では数種のオナガザル類による大群も「混群」と定義される。

参考サイト

コトバンク 混群

目次

混群その目的は

混群する野鳥の種類

混群する時間帯

撮影のタイミング

混群その目的は

一般的に混群する目的について考えられているのは、

1)餌のシェアリング

2)外敵から身を守る

の二つがある。

多くの場合いずれか、もしくは両方を目的としたような行動を見せる。

[ヤマガラ]

ヤマガラ

餌のシェアリング

混群する野鳥たちが餌にする対象は「蝶や蛾の幼虫」「昆虫」「木の実」といったモノが多い。

それらを特定の範囲に住む小鳥たちで分け合う事が目的とする説。

小鳥たちは日々食べなければ生きていけない。

体長15cmほどの生物は丸一日 食べることが出来ないと餓死すると言われている。

野鳥も例外ではない。

このため特定の範囲内に暮らす、例えば都市公園など限られた食物連鎖の場所において餌を均等に分配できるようにしていると言われる。

また、次々に樹の枝から枝へと飛び移る行為によって枝や幹の中に眠っていた虫たちを呼び覚ますという二次的効果がある。

これらの虫を表面に出てこさせて食べやすくしているとも言われている。

[メジロ]

メジロ

外敵から身を守る

都市公園においてもオオタカ、ツミ、チョウゲンポウなどの猛禽類(ワシ・タカ類)は意外なほどの数が生息している。

スズメ大の小鳥はそういった猛禽類の餌でもある。

ワシ・タカに狙われたとき少数の小鳥が犠牲になる事でワシ・タカの接近をいち早く知り、多くの小鳥が難を逃れるためという説。

また都会や町中に生息数を増やしているヒヨドリやムクドリといった体長24cm前後のスズメ大より大きい野鳥に対抗するためとも考えられている。

花の蜜を吸うメジロやシジュウカラなどは少数で行動しているとしばしばヒヨドリに追われて逃げていく様を見かける。

またムクドリは同じ種で大群を作り蝶や蛾の幼虫や虫、蜘蛛と言った小動物をたいらげる様を見かけるが そういった群れの中に小鳥は近づいてこない。

[ヒヨドリ]

ヒヨドリ

混群する野鳥の種類

多くの場合カラ類が混群を形成するが、他のスズメ大の種類も混じる。

また生息する標高によって混群を形成する種類に若干違いがある。

目安として大きく3つに分けると、

標高が低い都市公園

シジュウカラ、ヤマガラ、メジロ、エナガ、コゲラ

標高が数百mを超える場所

以上に加えて、キクイタダキ、ゴジュウカラが加わることがある。

標高が1000mを超えるあたり

以上に加えてコガラ、ヒガラ、ニュウナイスズメ、キバシリが加わることがある。

※通常は数百m以上の標高に生息する野鳥でも、寒冷地や例年より寒い季節の時は稀に町中の都市公園で見られる時がある。

[エナガ]

エナガ

混群する時間帯

時間帯としては午前9時前後と夕方に見るが、厳密に混群する時間帯が決まっているわけではないようだ。

むしろ混群するのは多くの場合、樹々に陽が射すタイミングが重要に見える。

経験的にはたまたまかもしれないが寒い時期の9時前後と3時前後、暖かい時期の8時前後と5時前後。

いずれも斜光が樹々の下枝を照らす時間帯。

もしかすると日中も混群しているが樹々の天辺付近を移動しているのかもしれない。

(ただし この時間帯に樹の天辺にいるのはワシ・タカ類に狙われやすいと思われるので可能性は低いと考える)

[ゴジュウカラ]

ゴジュウカラ

撮影のタイミング

混群を知る手がかりは目視は当然だが、もう一つの手として小鳥たちのサエズリや鳴き声に聞き耳を立てる事が大事。

混群を形成する中心的な野鳥はシジュウカラ・ヤマガラ・コゲラ・エナガ。

これらの鳴き声は、シジュウカラ・ヤマガラは「ジジッジジッ」、コゲラ「ジュルッジュルッ」、エナガ「ジュルリッジュルリッ」

これらは一度覚えると特徴があり大群で鳴きながら移動してくるので聞こえやすい。

最初のうち混群の動きに慣れるまでは町中の都市公園でじっくり観察をした方が良い。

どんな鳥がどんな場所をどのくらい滞在して次へ移っていくのかが分かればしめたものだ。

慣れてきたらちょっとした山の中でも朝や夕方に斜光が樹々を照らしたら、少し離れた樹を見ていると、小鳥が大群で飛び回っている様を見つけることができる。

[コゲラ]

コゲラ

混群を見つけたら おおよその当りを付けて近くの陽に照らされた樹々の枝を狙っていると野鳥の方から構図の中に飛び込んでくれるはずだ。

単独行動でこちらを見かけると逃げるような野鳥でも混群の時は余程脅かさない限り向こうからこちらに近づいてきてくれる。

おそらく大群で移動している心理から警戒心がいつもより下がっているのだと思われる。

いわゆる釣りで言うところの「入れ食い状態」になる。

なので小鳥を追いかけまわしながら撮ると言うより、背景が上手く空いていてAFがずれにくいお気に入りのイメージに撮れる場所で待った方が生産性が良い。

[キバシリ]

キバシリ

独り言

偏見かもしれないが、混群の先頭を切るのはシジュウカラやヤマガラなどのカラ類が多く次にメジロやエナガといった少し小さい野鳥、その後に大き目のコゲラが枝や幹から出た虫を食べている様に見える。

例年より寒い季節や山の中では思わぬ鳥が見られる・撮影できる時があるのも混群を見る醍醐味と言える。

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