ハダカデバネズミは不老の怪獣?歳を取るほど死亡率が下がる哺乳類???

2018年

ハダカデバネズミは齧歯(げっし)動物。

その名の通り毛を持たず裸で、かつ出っ歯。

一見するとグロテスクに見える珍獣。

この哺乳類が実は不老の能力の持ち主であることが分かってきた。

通常生き物は高齢になるほど死亡率が高まる。

特に生殖能力を持ってから年齢と共に死亡率は老化が進むほど高まる。

人間の場合は30歳を過ぎると8年ごとに死亡率は2倍になるという。

人間に限らずウマやネズミでも同様。

ところがハダカデバネズミだけは唯一老化とは無縁の生き物らしい。

他の哺乳類と生態や能力が異なる点がいくつも見つかっており、それが不老の謎を紐解くポイントになるかもしれない。

今回はそんなハダカデバネズミについて調べてみた。

目次

基本情報

生態

特殊な能力

無酸素状態でも18分生きる

傷みに対する耐性が強い

健康な血管機能を維持できる

癌は発見されない

独り言

基本情報

分類:齧歯(げっし)目 デバネズミ科 ハダカデバネズミ属

体長:10cm~13.6cm

尾の長さ:3.2cm~4.7cm

体重:9g~69g

体毛:ほぼ無毛、ただし僅かに触覚の役割のため細い毛を持つ

食べ物:地下植物・木の根など植物食

生息国:エチオピア・ケニア・ジブチ・ソマリア

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生態

完全地中棲息で10匹~200匹以上の社会を形成する。

役割分担があり群の中で繁殖するのは1組のペアのみ。

他は穴を掘り食糧調達する小型の固体と巣を守る大型の個体に分かれる。

出っ歯の前歯を使って器用に穴を掘る。

60匹以上の群れだと巣穴の長さが3kmを超える例もあるという。

生後6カ月で生殖能力を持つ。

6カ月の個体の死亡リスクは1万分の1(※1)

通常 このサイズのネズミの寿命は3年~4年程度だがハダカデバネズミは6年を超えて30年近く生きる個体がいる。

地中生活のためビタミンDは欠損している。

※1:日本人の年間死亡者数は合計で約130万人

仮に人口が1憶3千万人だとしても1万分の一

全ての年齢合わせての1万分の1であることを考えても いかにハダカデバネズミが不老であるかが分かる

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特殊な能力

1)無酸素状態で18分ほど生きられ大きなダメージも残らない。

心拍数は通常1分間に300回前後だが、酸素レベル0%では50回に減り、なおかつフルクトースという糖の一種を代謝し始める。

(ネズミの心拍は1分間に800回前後)

地中生活では酸素濃度が地上の20%の半分から4分の1くらいになることがありハダカデバネズミはそのような環境でも5時間以上生きられる。

フルクトースは通常、毒性が高く、人間は腎臓と肝臓で代謝しているがハダカデバネズミはフルクトースを生命維持に使う事ができる酵素を持っている。

2)傷みに対する耐性が強い。

3)健康な血管機能を維持できる。

細胞分裂が他のネズミと比べると遅いにもかかわらず健康機能を維持できている。

4)ハダカデバネズミに癌は発見されない。

p16・p17遺伝子を持ち これらの共同作用が癌を抑制しているとみられている(※1)

※1:p16遺伝子:一定のサイズに達した細胞群に新たな細胞を増殖させない働きをする

p17遺伝子:細胞の再生を阻害する

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コトバンク 代謝

独り言

ハダカデバネズミの研究は癌・老化の研究で注目が集まっている様だ。

低酸素状態で代謝できるフルクトースと酵素の存在は研究によっては低酸素状態の緊急救命処置や難易度の高い手術にも応用できるかもしれない。

また、驚くのはビタミンDが欠乏している事。

人間だと欠乏することによって小児では「くる病」、成人の場合は「骨軟化症」になる。

人間にとってはNGとされる状況がハダカデバネズミでは不老のメカニズムの要になっているのかもしれない。

他にも不老と言われているのはクラゲの一種で ベニクラゲの存在がある。

このクラゲは年齢を重ねるとポリプという幼生に戻り再び成長することを繰り返す まさに不老不死。

また不老不死ではないがクマムシの存在もハダカデバネズミにひけを取らない。

体の水分が3%以下になっても放射線を浴びても、宇宙空間でも7万5千気圧でも死なずに復活する。

絶対零度(約-273℃)~150℃の環境からでも復活する。

これら三種の生物の生態・代謝メカニズムを研究することで不老不死になる時代が来るかもしれない。

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ウィキペディア クマムシ=緩歩動物(かんぽどうぶつ)

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