ニコンの隠れ最上位機種D850の価格破壊度が凄い

2018年

[写真は多め]

ニコンのフルサイズデジタル一眼レフ最上位機種として発売されているD850

プロ機のD5を含めてもニコンの一眼レフの中で最も高画素で有効4500万画素と風景の詳細描写に十分耐えうる。

また連射速度もバッテリーグリップと専用バッテリーを組み合わせることでプロ機のD5、APS-C最上位機種のD500につぐ秒間9コマをフルサイズ撮影で可能にする。

AFユニットもD5やD500と同じであることを考えるとD5のプロ機としての耐久性と高速連射を除けば、実は隠れた最上位機種と言えるほどの出来映え。

今回はそんなニコンD850について他者ライバル機種キヤノンのEOS-5DsR(以下5DsRに略)やリコーペンタックスのK-1(以下K-1に略)とともに同社D5・D500と性能や機能比較を行ってみた。

[目次]

[はじめに]

[性能比較]

[高感度描写比較]

[D850のデメリット・メリット]

[総合判定]

[オプションを用意するなら]

[参考リンク]

[独り言]

[本文]

[はじめに]

価格は2017年10月16日現在40万円弱。

これは同じニコンのD5より20万円近く安く、D500より20万円高いという絶妙な価格設定。

これ一台で詳細な風景描写から野鳥やプロスポーツ撮影に耐えうる万能機と言える存在だろう。

このクラスのデジタル一眼レフはプロ、ハイアマチュアと呼ばれる写真の専門知識を持った人たちの他に、入門機からステップアップしたい人当りが触手を伸ばす事が考えられる。

もちろん初めてデジタル一眼レフに手を出す人の中にも選択肢として考える人がいるだろう。

いずれにせよ このカメラは使いこなせば万能のカメラ。

熱意をもって対峙する事でカメラの性能を引き出す事ができるだろう。

そこから得られる描写は『40万円前後の投資をする価値あり』と言える。

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[性能比較]

カメラマンが このクラスのカメラに求める性能は、

・連射性能+連続撮影可能枚数

・ファインダー倍率+視野率

・静音撮影性能

・ISO感度設定範囲

・AE(自動露出測光範囲)

・AF(低輝度検出範囲)

・動画撮影

・高感度描写になるだろう。

ここでは高感度描写以外について取り上げてみたい。

D850 D5 D500 5DsR K-1
連射性能(単位コマ/秒)  7  12  10  5 4.4
連射性能(単位コマ/秒)バッテリーグリップ(BG)有りまたはAPS-Cクロップ など  BG有り

9

  ミラーアップAE/AF1コマ目固定

14

  ー  ー APS-C時

6.5

連続撮影可能枚数RAW 14ビット  29  102(XQD)  79  14  17
連続撮影可能枚数JPEG 最高画質  200  200  200 510  70
ファインダー倍率 D500はフルサイズ換算 ×0.75  ×0.72  ×0.67  ×0.71 ×0.7
ファインダー視野率 100%   100%   100%  100%  100%
静音撮影(単位コマ/秒)  3  3  3  3  無し
ISO感度設定範囲  標準 64~25600  100~102400  100~51200 100~6400   100~204800
(拡張-) [拡張+] (32)[102400] (50)[3280000] (50)[1640000] (50)[12800] 拡張無し
D850 D5 D500 5DsR K-1
AE 測光輝度範囲(単位:EV)   -3~20  -3~20 -3~20   0~20  -3~20
測光方式 180k RGB  180k RGB  180k RGB  150k RGB  86k RGB
AF 最低測距輝度   -4~20  -4~20  -4~20  –2~18  -3~20
測距可能F値  F8(15点)  F8(15点)  F8(15点)  F8(1点) F5.6
測距点数 153点  153点  153点  61  33点
動画撮影4K対応  30pクロップ無し  30pクロップ  30pクロップ  × ×
 動画撮影FullHD(1920×1080)  60p   60p   60p  29.97≒30p  29.97≒30p
販売価格 2017年10月18日最安値 約36万円 約56万円 約17万円 37万円 23万円
D850 D5 D500 5DsR K-1

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[高感度描写比較]

個人的に使っているカメラは野鳥撮影・星野撮影にcanon EOS-1DX(以下1DXに略)、野鳥撮影サブ機・風景・花マクロ・星野撮影にPENTAX K-1を使っている。

ここでは5DsR・K-1・D5・D500とD850の描写比較に加えて個人的興味から1DXとも比較してみる。

ここでD850は画素数が5060万画素と約500万画素多い5DsRよりは有利になるが 他の機種 特に1DXの約1800万画素とセンサーサイズは一緒で、画素数が倍以上離れているという不利な状況である。

結論

具体的な写真データは後で並べてみるとして、

『D850は同じISO感度なら最もバランスが良い』

画素数が多くノイズが出やすい不利な状況にも関わらず、ノイズと詳細描写とのバランスで立体感と輪郭描写に優れている。

個人的に描写バランスで順位付けするなら D850>5DsR>K-1・D5・1DX>D500になる(※1)

D850と5DsRは僅差だがノイズが少ない分D850の方が良い。

K-1も画素数が多い割に健闘しているのはD5や1DXより画素数が多い分バランス的に良い。

D500は比較機種の中で1台だけAPS-Cサイズで、かつ割合的に高画素なのでISO感度で1段分は不利。

例えばD850ならISO6400で満足できるならD500の場合はISO3200以下で撮る事になるだろう。

※1:薄暗い場所での撮影が多い場合はノイズが少ない方が有利になると思われる。

この場合の順付けはD5・1DX>D850>5DsR・K-1>D500になる。

参考写真データ

写真は海外のレビューサイトに掲載されているデータの一部をトリミングしている。

写真は全て向かって左半分がD850で右半分が比較機種。

写真データ(横600ピクセルのサムネイル)をクリックすると100%表示のデータが表示されるようにリンクを貼ってある。

[サンプル]

d850描写比較サンプル

これから下に並ぶ写真では赤丸内のツマミのローレット部を比べると解像感や立体感の違いが感じられるはず。

もし分かりにくい場合は写真をクリックすると等倍(100%)画像が開く。

(データ量が大きい事や画面サイズの関係でPCで閲覧推奨)


[D850vsD5 ISO6400]

D850vsD5 ISO6400サムネイル


[D850vsD5 ISO12800]

D850vsD5 ISO12800サムネイル


[D850のISO6400vsD500のISO3200]

D850vsD500 ISO6400vsISO3200サムネイル


[D850vsD500 ISO6400]

D850vsD500 ISO6400サムネイル

 

[D850vsD500 ISO12800]

D850vsD500 ISO12800サムネイル


[D850vs5DsR ISO6400]

D850vs5DsR ISO6400サムネイル


[D850vs5DsR ISO12800]

D850vs5DsR ISO12800サムネイル


[D850vsK-1 ISO6400]

D850vsK-1 ISO6400サムネイル


[D850vs1DX ISO6400]

D850vs1DX ISO6400サムネイル


 

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[D850のデメリット・メリット]

メリット

・高画素と裏面照射CMOSの恩恵で高感度撮影に強い

上の高感度描写比較を見れば そのバランスの良さが分かる。

・最低感度ISO64は風景やポートレート撮影に有利

河や滝の流れを絹糸のように撮るとき長秒設定しやすい。

明るいレンズでピント前後のボケを最大限にしたいとき絞りを開放付近に設定できる。

・バッテリーグリップとバッテリーを追加すれば秒間9コマの連射性能

このクラスで秒間10コマ以上の機種はD5・D4・D500・1DX markIIくらいだろう。

ただし これらの機種は画素数が~2088万画素でD850と比べて約半分の解像度になる。

なお、D850はISO12800でもシャッターが1/250秒以上の速さなら秒間9コマ切れるようだ。

(機種によってはISO感度が高くなると連射コマ数や連続撮影可能コマ数が減ることがある。)

・サイレント撮影モード2で864万画素・最大3秒間・最高約30コマ/秒の高速連続撮影

条件が撮像範囲:DX・記録サイズ3600×2400ピクセル・画質モード:NORMAL固定・AF/AEは最初のコマに固定になるが

・静音連続撮影が4575万画素で秒間3コマ

野鳥撮影や周囲が静かな舞台撮影をする時に有利。

(今回比較した機種の中で静音撮影が無いのはK-1のみ)

・中央フォーカスポイントは-4EVと暗い場所での撮影が得意

早朝の野鳥撮影や薄暗い森の中では経験的に最低-3EVは欲しい。

その点ニコンの上位機種は余裕がある。

・アイピースシャッターは晴天下でのAE撮影や星空撮影で有利

晴天時にファインダーから目を離して撮影するときにアイピースから逆入光してAEが狂わないように出来る。

星空撮影の時もミラーアップ状態でもファインダー側からの逆入光が僅かに入りコントラスト低下する事を防げる。

・ボタンイルミネーション採用で暗い場所での設定時に便利

D5にも採用されているが暗い場所で設定を変えたいときのガイドは いちいちライトをon/offしたりライトを手に持ったりする手間が省ける。

・インターバル撮影に別売り機器を必要としない

今回比較した全ての機種にも搭載されているがD850の場合は撮影開始日時も指定できる。

・フルサイズを生かした4K30p動画撮影

動画撮影機能に関しては今回比較対象から除外したパナソニックのLUMIX GH5に軍配が上がる。

だがGH5を除けば画面表示をクロップ(トリミング)することなく4K30pで撮れるのはD850だけ。

・意外と小さい

D850はフルサイズセンサーで幅146x高さ124x奥行78.5mmになり、APS-CセンサーのD500と比較しても147x115x81mmで高さが10mm高いだけ

・4575万画素で40万円は破格

これまで紹介してきた性能や機能を網羅したカメラを揃えるとなると20万円クラスのカメラが2台必要になる。

これを1台でまかなえることを考えると安いと言える。

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デメリット

・絶対的価格が高い

D850は その性能や機能・描写バランスをはかりにかけると安い。

高速連射や幅広い被写体への対応を考えると2台でまかなうべきところを1台で済ませられる。

予備バッテリー・メモリーカードなどを揃える事を考えても結局2台カメラを買うより安く上がる筈だ。

とはいえボディ単体で40万円前後は絶対価格としてみると高い。

・重い

ボディ+バッテリー+メモリーカードで約1kg

(D500より140gほど重い)

これにマルチパワーバッテリーパック+EN-EL18bなどを加えると約1.5kg

(D5と比べても100gほど重い)

・設定項目が多く覚えるのが大変

基本的にはD850の限った話しではなく上級機なら当然と言えるが初心者には難解だろう。

最初はカメラの初期設定任せで使い、徐々に自分好みに設定していく方が良いだろう。

むしろ設定を変えてカメラを自分好みにしたい人にとってはメリットになりえる。

・ライブビューで威力を発揮する像面位相差AFは見送り

動画撮影より静止画撮影よりに機能強化したようだ。

それでも後発の強みでコントラストAFだけでも強化されている事だろう。

・旧来のユーザーにとってボタンレイアウトの変更箇所が割と多い

AEロックボタンが無くなってFn(ファンクション)ボタンへ割り当てるようになった。

また軍幹部の「MODE」と「ISO」ボタンが従来機種と入れ替わっている。

従来からニコンを使い続けてきたユーザーは少々頭と指先の切り替えが必要になる。


[総合判定]

ニコンユーザーでD5・D500・D850で迷うなら、

野鳥やスポーツ撮影メインで体力・金銭力があるならD5

野鳥やスポーツ撮影メインで軽量システムがほしいならD500

野鳥もスポーツも風景・花・マクロと万能なカメラが欲しいならD850で間違いない。

初めて買うカメラに奮発したい人にもD850がお薦めだ。

最初は自分が撮りたい対象に特化してレンズやオプションを選べばよい。

ニコンならシグマやタムロンといったサードパーティからもレンズが販売されていてレンズ選びに苦労する事は少ないだろう。

一方K-1はフルサイズで3500万画素を超えた機種としては異例と言える23万円で安い。

ただし使っている私が言うのも何だが販売されているレンズが限られている。

(ニコンの総数が100としたらペンタックスのそれは60程度で選択肢の幅が狭い)

ボディ内手ぶれ補正を装備しているがファインダー像をピタッと止めて撮影したいならレンズ内手ぶれ補正の方が有利だ。

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[オプションを用意するなら(以下合計で約12.4万円)]

・メモリーカード

既にSDカードを持っているなら手持ちのカードで使い始めればよいだろう。

カメラと一緒に用意する時は連射性能を生かすならXQDカード、連射を重視しないならSDXC UHS-IIカードでいずれも書き込み300MB/sec以上がよい。

容量はXQD・SDXCいずれの場合も64GB以上が良い、よほど破格なカードでない限り32GBは割高になる。

また動画撮影や星空などをタイムラプス撮影するなら64GBでも不足かもしれない。

特に星空をタイムラプス撮影するときはRAWで撮っておきたいので128GBでも足りない人がいるかもしれない。

XQD 128GBで価格は約2.2万円、64GBで1.3万円。

・リモートコード(MC-30A)

風景・花・星空を撮るときや動画撮影には必須。

価格は約5千円

・本体予備バッテリー(EN-EL15a)

最低でも1個は用意しておきたい。

価格は1個4200円前後。

特に動画撮影する人は1個でも不足する可能性がある。

(バッテリー1個で撮影できる時間はFullHD:1920×1080 60p 動画で合計約70分、1回の動画撮影で記録可能な最長時間は29分59秒)

・マルチパワーバッテリーパックMB-D18+予備バッテリー(EN-EL18b)+バッテリー室カバー BL-5+チャージャーMH-26aAK

高速連射(秒間9コマ)を楽しみたいなら是非用意したい。

ニコンユーザーでD4・D4s・D5を使っている人ならバッテリーが共用できる。

バッテリーパックに装着するバッテリーは「EN-EL18b」となっているが旧製品の「EN-EL18」「EN-EL18a」でも秒間9コマが保証される。

バッテリーパックにEN-EL15aも装着できるが この場合連射速度は秒間7コマ据え置きになる様だ。

MB-D18+EN-EL18b+BL-5+MH-26aAKの合計価格は4.8万+1.5万+0.2万+2.8万で約9.3万円になる。

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[独り言]

個人的には現在 野鳥撮影・星野撮影にcanon EOS-1DX(以下1DXに略)、野鳥撮影サブ機・風景・花マクロ・星野撮影にPENTAX K-1を使っている。

もし これらの機材を使っていなかったら またはどちらか一方しか使っていないかったらD850を購入するだろう。

正直1DXよりも描写バランスが良いのには驚いた。

リュックにEF500mm F4L IS II USM+EXTENDER EF1.4X III+canon EOS-1DX。

ショルダーバックにPENTAX K-1+ HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WR+タムロンSP AF 90mm F/2.8 MACRO[1:1](モデル72E)+αで三脚を加えると10kg~場合によっては20kg。

ニコンのレンズをAF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR+×1.4テレコン+100mmクラスのマクロレンズ+星空撮影用にもう一本で充分。

これなら6kgの三脚を加えても12kg以下に抑えられる。

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